ひとつ前のメール(01A−225)に戻る。
01A−226
差出人:野中 直彦
送信日:02年5月24日
件 名:電子顕微鏡に触れてきました
私は、初めてのことだったので、とても面白かったです。電子顕微鏡の得意なことは立体的な映像が取れることだそうです。花粉やジャガイモのデンプン粒などは本当に立体的にみえます。ただし、ゾウリムシなどの水分をたくさん含むものは苦手なようで、水分をt−ブチルアルコールで置換したあと、フリーズドドライにしていくのですが、作業の途中でつぶれてしまうことも多いとか。いまはやりの細かいたわしもよくわかるとのことでした。いつでもサンプルをもってくれば、金で処理して見せてくるとのことでした。
01A−227
差出人:林 正幸
送信日:02年5月26日
件 名:共沸の説明
こんばんは、林です。
一転して1週間以上雨が降りません。真夏並みの庭への水まきに時間を取られています。けさ消防車のサイレンがすぐ近くで聞こえました。私は物見高くないのでうっちゃっていましたが、何と我が家の道路を隔ててすじ向かいの草地がたき火の不始末で炎上しているではありませんか(家から数メートルの距離)! 乾燥しているので、青々とした草の下の枯れ草が燃えたのです。誰かが通報してくれたのですね。幸い風向きは逆でしたが、やれやれ無頓着もここまでくると問題があります。
話は変わって、埼玉の高校生たちから(たぶんひとつの学校)10通近いメールが届き、いずれもワインの蒸留に関するものでした。そのなかで「共沸」について詳しく教えてほしいという質問が多くありました。これって難しいですよね。多層平衡の問題で、澤田さん提起の「食塩をまいて雪を固める」がそうでした。しかしこの際自分で考えてみようと、1週間ほど物理化学の本を読んだりして悩みました。その結果できたのが次の返事ですが、十分なものではありません。皆さんは、どんな説明をするのでしょうか。
ではまた。
<ホームページの引用>
「共沸」ってどんなことですか
質 問
僕は埼玉県のとある高校の2年生です。
このまえワインの蒸留の実験をしてそのレポートを書いていて、その課題として「蒸留で、96%以上のアルコールを得ることができない理由とそれ以上のアルコールを得る方法を調べる」というものがあるんですが、参考書や本を調べてもよくわかりません。
質問コーナーで調べてやっと共沸が関係あるとわかったんですが、いまいち理解できません。共沸ついてもっと詳しく、そしてもう一つの方法について教えてください。
説 明
これは多相平衡の一種で、とくに高校生には理解しにくい内容であり、どう説明したものかと悩みました。
沸点が低い物質と高い物質が混合している液体は、蒸留によって分離できます。それは沸点の低い物質が蒸気になりやすいからです。しかし沸点が高い物質もその温度に応じて蒸気になるので、枝付きフラスコのような単純な装置では沸点の差が20〜30℃あることが必要です。
さて一般に混合液体の沸点ですが、沸点が低い物質の割合が大きいほどその沸点が低く、沸点の高い物質の割合が増えるにつれてその沸点が高くなります。そしてこのような場合は混合液体が沸とうすると、それで生じる混合蒸気は、混合液体に比べて沸点が低い物質の割合がより大きくなります。これは沸点が低い物質の方が蒸気になりやすいから当然ですが、コノワロフの法則と呼ばれています。
ところでエタノールと水の混合液体では話は違います。1atmの下で、純粋なエタノールの沸点は78.3℃、純粋な水の沸点はもちろん100℃ですが、エタノールが96%の混合液体の沸点は78.15℃ともっとも低いのです。そしてこの混合液体が沸とうする場合を考えると、その混合蒸気のエタノールの割合がより増えても水蒸気の割合がより増えても、それはより沸点が高い物質の割合が増えることになり、コノワロフの法則に反します。したがてエタノールが96%の混合液体の蒸気はやはりエタノールが96%になるのです。このような現象は共沸とよばれます。そしてこのような混合液体は共沸混合物とよばれ、蒸気になってもその組成が変化しないので純粋な物質のように見えます。
それではエタノール50%の混合液体を蒸留することにします。沸とうして生じる混合蒸気は、エタノールが96%を越えることはありません。なぜならそのような蒸気は、より沸点の高い物質の蒸気であるからです。だからどんなに精密な蒸留装置を使っても、96%を越えるエタノールは分離できないのです。実感は湧きにくいでしょうが、理屈の上では納得できるでしょうか。
もうひとつの問題はエタノールが96%の水溶液がどうして沸点が最低になるかということです。沸とうは蒸気圧が大気の圧力になるときに起こるので、エタノールが96%の水溶液の蒸気圧がもっとも大きいわけです。それはどうしてでしょうか。
混合液体の蒸気圧はそれぞれの物質の蒸気圧の和になります。そして単純に考えると、混合液体中のそれぞれの物質の蒸気圧は、その物質単独の蒸気圧に割合を掛けたものになるはずです。この場合は共沸という現象は起きません。しかし2つ物質の分子どうしがよく馴染むならば、たがいに相手が蒸気になるのを妨げます。反対に分子どうしが疎ましいならば、たがいに蒸気になりやすくなります。エタノールと水の場合、水にエタノールが加わるにつれてたがいに相手が疎ましくなり、エタノールに水が加わるにつれてたがいに相手が疎ましくなると考えると、ある組成で混合液体の蒸気圧が最大になることが起こりうるわけです。
最後に96%を越えるエタノールを得る方法ですが、たとえば酸化カルシウムを加えて次の反応で水を除去することが行われます。
CaO + H2O ―→ Ca(OH)2
<以上>
01A−228
差出人:山本 喜一
送信日:02年5月26日
件 名:健康食品ノート
こんにちは、山本です。
おもしろい本を見つけました。瀬川至朗著「健康食品ノート」岩波新書です。本屋でパラパラと目次をめくってみたところ、青汁とかクロレラ、DHA、アガリスク茸などという文字が目に飛び込んできて、すぐ買ってしまいました。それらの健康食品に本当に「薬効」があるのかどうかが書かれた本です。瀬川さんという人は毎日新聞の科学部門の記者で、日曜版に健康食品についての記事をおよそ1年間連載し、それをもとにこの本をまとめたようです。
医薬品の場合は、その効き目を検証する段階として(1)試験管内での試験、(2)動物実験での試験、(3)臨床試験という3つがあります。それらをパスしてはじめて医薬品として認められるわけですが、健康食品の場合はそういうきちんとした試験は行われていない場合がほとんどのようです。この本では、特に人間に対してどのような効き目があるのかという点に着目して、それぞれの食品をコメントしています。
個々の健康食品について、それぞれおもしろい話があるのですが、それは読んでのお楽しみということにします。この本の終わりのほうに、これらの食品について頼りになる情報源として(財)日本健康栄養食品協会「健康補助食品相談室」が紹介されています。電話は03(3268)3295で、火、水、木の午後1時から4時に相談が受付されているようです。何か聞きたいことがあったら、電話してみたらいかがでしょうか。
以前、マイナスイオンのことを調べてメールを書きました。こういうものが、人の健康に本当によいのかどうなのかということになると、個人で調べてみても迷宮入りしてしまうことが多いような気がします。この本には、上のような相談先も紹介されていますが、同時に企業からも国からも独立し、健康食品についての科学的なデータを収集、分析し、開設してくれる情報センターの設立も提唱されています。こういうものができれば、困っている人から身銭を巻き上げるような商法も姿を消すでしょうね。
01A−229
差出人:小林 敏夫
送信日:02年6月1日
件 名:ヘスってどこの国の人ですか
アルケの皆さん、お元気ですか。
1ヶ月ほど前、熱化学を授業していました。今年は久しぶりにプリントを使って授業しました。『今から学ぶヘスの法則は前の時間に学んだ、熱力学第1法則から導かれるものですが、熱力学第1法則がまた確定されていない時代(1840年)にロシアの科学者( )が実験的に見出したものです。』と書いていました。すると、授業後「先生、教科書にはスイスの化学者」と書いてあります。」とのこと。「あれ、間違えたかな?」と思った私。千谷利三「物理化学要論」等を見ると確かにロシアの科学者である。教科書はと見ると、すべてスイスの科学者です。ただ、1社だけスイスで生まれロシアで研究した旨記してありました。日本の化学史の本をいくつか見てみましたが、「熱力学第1法則がまた確定されていない時代(1840年)化学の分野のそれを実験的に見出し、提唱した」Hessについてほとんど記述がありません。インタネットで調べても日本語では計算問題の解き方か高校実験紹介です。
そこで、『Hess、1840、Chemist』と入力。検索をかけました。すると次の記事が検索に掛かりました。
<引用>
http://www.stormpages.com/aboutchemists/hess.html
Germain Henri Hess was born in Geneva in1802. Three years later he was
brought to Russia. He was a Swiss chemist and doctor. He died in 1850 at the
age of 48 but managed to make a significant contribution to the world of
chemistry before doing so. Hess’s most famous paper was published in St.
Petersburg in 1840 when Hess was 38 years old. To see some of Hess’s
original papers visit:
http://dbhs.wvusd.k12.ca.us/Chem-History/Hess-1840.html
This paper was and is still very useful to chemists especially those who work in the field of
thermal chemistry.
<以上>
とても興味ある事柄のようです。でもまだ読んでません。
01A−230
差出人:小林 敏夫
送信日:02年6月1日
件 名:ブレンステッド-ローリーの酸塩基
ブレンステッドの酸塩基の概念(定義)を高校段階で学ぶ理由は何でしょう。そもそもブレンステッドやローリーが酸塩基概念を拡張せざるを得なかった理由は何だったのでしょう。さまざまな資料によると@アレニウスの定義が水溶液に限られていたので、ヒスイ溶媒にも拡張したかったという時代の要請。Aデバイやヒュッケルによる溶液の研究が進んできたことなどが上げられます。Bまた、H+がH3O+で存在していること(もちろん現在はもっと複雑に記述していますが)などがあげられています。アルケの皆さんの意見(ブレンステッドの酸塩基の概念(定義)を高校段階で学ぶ理由)を聞きたいのですが。
それは、それとして、今回ブレンステッドの酸塩基反応の例で、授業で、二つの実験を準備しました。一つは生徒実験で「アンモニアの噴水」です。これをアンモニアの各論でやらずにブレンステッドの酸塩基の例として位置付けました。そして、こちらは供覧実験で、「塩化水素の不思議」です。
『@1,2-ジクロロエタン(6ml)に蒸留水(3ml)を加える。
Aその上にBTB液を加える。( 色=中性)
Bその上に塩酸(濃塩酸2ml+蒸留水1ml)を加える。(BTBの色は 色=酸性 H+が存在する)
C分液ロートに入れ、よく振る。
Dジクロロエタン層を試験管に採る。
Eジクロロエタン層の上に蒸留水(6ml)そしてBTB液(緑)を入れる。さらにマグネシウムリボンを入れる。(BTBの色は 色=酸性 H+が存在する)(マグネシウムは
1,2-ジクロロエタンは油性の溶媒です。』
(以上授業プリント)
現在はその要所要所でジクロロエタン層と水層に電極を差し込み(40W電球100V)電気伝導性を確かめながら実験を進めています。なんとEのマグネシウムは水層(上)から水素が発生し、油層(下)からはほとんど水素が発生しません。面白いことに酢酸で行うと、油層(下)からもかなり水素が発生します。もちろん、水層からがより盛んに水素が発生します。
これから発展し、1,2-ジクロロエタンないでの塩化水素とアンモニアの反応を、私の予備実験として、行ってみました。白くなり反応が起こったことがわかりました。その時の反応熱はほとんど見られませんでした。しかし水溶液中(塩酸+アンモニア水)の反応はかなりの発熱反応です。どなたか、化学エネルギーで説明してくれませんか。2日間そのことを考えています。精密な(濃度を測定した)反応を、反応容器を工夫して行わなければならないのかなぁーとも思っています。
01A−231
差出人:澤田 史郎
送信日:02年6月5日
件 名:通信No.3
澤田です。
昨日通信を送りました。1ヶ月の遅れで申し訳ありません。次回はプレなしで今月末にお願いしたいと思っています。
さて 通信の最後にお願いしましたが科教協山口大会の件ナイターは8月3日(土)です。実験など用意をお願いします。
合宿は8月4日(日)から5日(月) 互助組合の資料をみて地方公務員共済の宿をとりました。宿泊は9000円ですが、各県の学校共済または互助組合の補助が受けられるようです。できれば補助券を用意してください。参加確認は今月末までということで連絡を送ります。
地方公務員共済湯田保養所「翠山荘」 湯田温泉3−1−1 tel 0839−22−3838
こちらのほうもよろしく。
01A−232
差出人:林 正幸
送信日:02年6月9日
件 名:アルケ3号受け取りました
こんばんは、林です。
澤田さん、忙しい中でアルケ通信の発送ご苦労さまでした。このところ皆さん(私も含めて)忙しそうですね。
8月3日のアルケナイターでは何か紹介したいと思います。また4日のアルケ合宿にも参加します。アルケ2号でレポートした「鉱物モデル」も見せたいのですが、宅配便で送るしかないですね。
四ケ浦さんからもお尋ねの「fwkk2132」さんについては、現在問い合わせ中です。
事務連絡だけでは寂しいので「あだ名」の話を書きます。皆さんは生徒からどんなあだ名で呼ばれていますか。私はこのところ学年によって違うあだ名が付くようになっています。
3年生には「コロちゃん」と呼ばれます。これは体形に由来しているのでしょう。とくに女子にまるでやさしく犬に声をかけるように呼ばれると、変な感じです。しかしあだ名については息子が高校生のとき「親しみのあるあだ名であればいいと思うよ。馬鹿にしたり嫌ったりするあだ名が付くのが問題だよな。」と言ったことがありました。これは名言だと思います。
2年生には「ラボアジェ」と呼ばれます。これは名付け親も分かっています。男子で授業中うるさいのです。しかし横を向きながら授業は聞いているのです。彼は私の授業の意図をよく理解している生徒です。いずれにしても化学の教師としてはうれしいあだ名です。
1年生には「なごみちゃん」と呼ばれ始めました。私は1年はひとクラスしか担当していないのですが、教えていないクラスの男子たちがそう呼んで寄ってくるのです。私は自分では意外なのですが、「悪がき」に好かれるタイプなのです。
ではまた。
01A−233
差出人:風間 清光
送信日:02年6月10日
件 名:岩塩の入手と演示実験
いつもお世話になります。奈良の 風間 清光です。
先日、岩塩(ドイツ産)を入手しました。大きな岩塩を欲しくて、いろいろと探していましたが5×5cm程度で、透明度の良い物が手に入りました。是非、生徒に見せたくて欲しかったのです。本当は、ソフトボール程度の岩塩が欲しかったのですが・・・。
塩化ナトリウムの融解の実験を、石英試験管を使って行っています。(1年)石英試験管の代わりに、パイレックス試験管でもいいのですが、熱膨張係数のことも教えたくて、あえて石英試験管を使っています。石英試験管は急冷しても、割れない事、普通の試験管は簡単に割れるという事を、比較しながら演示しています。石英の融点(?)は1550℃で、塩化ナトリウムの融点は800℃なのだから、石英試験管は器として使えるのだ・・・・・! と解説しています。
塩化ナトリウムが融けた頃に、熱電対温度計を差し込んで、融点を測って、800℃を確認しています。
温度計は、下記のHPにあります。この温度計は、優れもので、外部へ、温度に比例して電圧として取り出せて、パソコン計測ができ、実験中の温度変化を瞬時にして表示もできます。
http://nara.cool.ne.jp/tentoumusi/enji/311a/311a.htm
融けた塩化ナトリウムに、自作伝導センサーを工夫して挿入して、融けている間はメロディーが流れていますが固まると、そのメロディーが止まります。液体と固体との電気伝導性の有無を確認しています。
最後に、しばらくして試験管の底に、燐寸の頭を付けるとボー!!と燃えます。塩化ナトリウムは固体になっているがかなり温度が高いことを、この演示で示しています。
生徒が感動する所は、
試験管が割れること
塩化ナトリウムから液体がでること
燐寸が燃えはじめること
楽しい65分の授業が展開できます。
この後に、岩塩を生徒に見せたかったのです。今日、早速、岩塩を見せました。2・3年生にも見せる予定です。
01A−234
01A−235
差出人:藤田 勲
送信日:02年6月16日
件 名:RE:トルコの酒
こんにちは、藤田です。
トルコの酒というのはラキやラクと呼ばれる蒸留酒のことでしょう。原料はワインを搾ったあとに出る残りかすのブドウの皮のようです。これを再び使って発酵させた後に蒸留してブランデーもどきを作り、アニスの種に浸して香味を引き出したあとに再び蒸留したもののようです。梅酒を蒸留するようなものですね。アニスの実は健胃剤にも使われる薬草ですから、ラクは要するにハーブ酒(リキュール)ですね。
ブドウの皮を使ったブランデーもどきは多分とても飲めたのもではないのでしょう。それでアニスに浸して味をごまかすというわけです。作り方から分かるように、大変安価なトルコ自慢の大衆的な地酒で、別名「ライオンのミルク」と呼ばれるアルコール分50%のリキュールです。本当はストレートで飲むほうがアニスの風味が味わえてよいのだそうですが、水で薄めるとアニスから抽出されたアネトールというフェノール性の化合物(p-プロペニルアニソールというフェニルプロパノイド)が析出してきます。アネトールはアニスやウイキョウなどのセリ科の果実の精油の主成分で、融点22度の強い香気と甘味を有する白色固体です。アネトールはアニス油(融点16度以上)と同様にリキュールの香り付け以外にお菓子やソース、歯磨き粉の香料として多量に使われています。
フランスのアブサン、ギリシアのウゾ、アラブ圏のアラックではいずれも香り付けアニスを使っているようで、水割りにすると濁ってくると言われています。
以上はインターネットの各種HPの他、アニスについては「ハーブの科学」(陽川昌範、養賢堂、1998)と「香料の実際知識」(印藤元一、東洋経済新報社、1985)を主に参考にしました。アネトールのようなものがどのように生合成されるのか興味のあるところですが、今日はここまでにします。
01A−236
差出人:竹野 徹美
送信日:02年6月17日
件 名:RE:トルコの酒
アブサンは、私も飲んでみたいけど、絶対に手に入らないはずです。強い習慣性のため、製造が法律で禁止されているためと聞いています。そういや、そんな題名の野球マンガがあったな…。ちなみに、ワインのしぼりかすを再度発酵させてできた物を蒸留した、いわばカストリブランデーがあります。イタリアのフォンタナフレッダ・グラッパ。フランスの同類の酒がマール・・・だったかな。・・・というところでふと検索してみたら拾えたwebより引用させていただきましょう。アブサン、どうやら「復刻版」なら、手に入るようです。でも、う〜ん、ちょっと飲むのに勇気が要るなぁ・・・。
<引用>
1915年にフランス政府が製造・販売を全面禁止したのを最後に、今では“幻の酒”と
なった『ABSINTHE』。この“幻の酒”は、さかのぼること1792年に、フランスの医師
ピエール=オルディネールが医薬品としてスイスで発表。
その後1797年にこのレシピがペルノ社創業者であるHenry Louis Pernodへと受けつが
れ、フランスでの大ヒットとなる。後に、ヨーロッパで大流行。特に、退廃的な雰囲
気に包まれた19世紀末には多くのアブサニストと呼ばれる芸術家たち(ピカソ、ゴッ
ホ、ゴーギャン、モネ、ロートレック、ヘミングウェイなど)がこの酒をこよなく愛
し、崇めるまでに至った。
かくして、現在もヨーロッパの一部では製造・販売はもちろんのこと、携帯すること
も厳禁されている極めて複雑で取り扱いの難しい酒だが、80年近くの歳月を経て、こ
こにEC基準に沿っての製造・販売という"復活"を成し遂げることになった。
商品紹介
“薬草系”のリキュールにも色々ありますが、その中の主成分として“Wormwood(ニ
ガヨモギ)”を使用しているのが、この「アブサント」。しかし元来“Wormwood”に
含まれるTHUJONEの使用に関して、現在でもヨーロッパの一部では製造・販売を禁止
している国もあります。一方では(注)フランス基準・EC基準に沿って製造している限
られたマーケットもあり、この「アブサント」もEC基準をクリアし日本での販売とな
りました。
★注:THUJONEを10PPM以下に押さえるという法規制があります。
「緑の妖精」とも呼ばれる「アブサント」は、魅惑的なグリーン色ですが、水を加え
ることで“乳白緑”に変化します。これはアルコールに溶けこんでいたオイル成分が
水に溶けにくく膜を作って乱反射する為におこります。
主成分
ヨモギ/アニス/スターアニス/バルサム(セイヨウヤマハッカ)/ニガヨモギ/ペ
パーミント
****************************************************************************
Thujone
別 名 1-Isopropyl-4-methylbicyclo[3.1.0]hexane-3-one
4-Methyl-1-(1-methylethyl)bicyclo[3.1.0]hexane-3-one
3-Thujanone
分子式 C10H16O=152.23
CAS [546-80-5]
備 考 メタノールに似た匂い
多くの精油に含まれるが、α-ツヨン33%とβ-ツヨン67%の平衡混合物として存在する
吸入すると痙れんを起こす
<以上>
01A−237
差出人:澤田 史郎
送信日:02年6月17日
件 名:RE:トルコの酒
澤田です。
お酒の話は好きなので混ぜてください。手元にある「リキュールの世界」福西英三という本によれば、アブサンという酒は19世紀にフランスの庶民の間でアペリティフ(食前酒)として愛飲されたお酒だそうです。ただ19世紀末アブサンを常飲している人の中に労働意欲を失ったり、現在でいう依存症になるひとが
見受けられるようになり調査の結果アブサンの成分のアブシンソールという精油成分が強い精神依存性を示すということがわかったそうです。
最大の消費国であったフランスで1915年に禁止されたのは竹野さんのメールのとおりです。ゴッホやゴーギャンが飲んだアブサンは現在飲めませんがアブサンと同じく水で割ると白濁するアニス系のリキュールは現在でも広く支持をうけています。フランスの「ペルノ」や「パスティス」といった酒がそれで、食前酒として人気の高いものだそうです。「パスティス」は一度飲んだことがありますが水で割ると白濁する不思議なお酒です。味は非常に個性的で香味成分が苦手でないひとは一度おためし下さい。
01A−238
01A−239
差出人:杉原 和男
送信日:02年6月21日
件 名:火の玉ダッシュ
sugihara です。
父が亡くなってから、その関係の祭事とともに、日常的な雑用がさらに増えました。結果、体調不良となり、ここ3ケ月の間に3度も画像がノコギリ状にゆがんだり、頭痛・肩こり・腰痛・耳鳴りなど異常が続きます。仕事は、理科教育から徐々に遠ざかりつつあります。
さて、「火の玉ダッシュ」ですが、ずいぶんと前に「科教協」のお楽しみ広場で販売しました。奪い合い状態となり、大満足でした。教職員発明展でも受賞し、それがきっかけでテレビ局からの出演依頼などもありました(もちろん、断りました)。その後、ビニルチューブ内での酸素と水素の爆発実験を見かけることが増えたように思いますので、きっかけの一つになったのかなと思っています。
ただ、私のように電気分解と組み合わせた例を見かけることはなく、いずれも、ガスボンベからの気体を混合してから流入させて爆発するというものです。水素はかなり広い混合比率で爆発しますから、適当に混ぜればよいというメリットがあります。しかし、混合作業は必要ですから、ビー玉の利用などは涙ぐましい努力です。
実は、このような混合気体を作って流入させる方法は、私が教師になった直後に先輩の先生から教えてもらいました。もう25年ほど前のことです。つまり、それより前から実践されてきたわけです。ただ、無色透明の混合気体をガスボンベから流入させての実験は、何をやっているのかわかりにくく(…というより、気体は無色透明が一般的であるとともに手触りもなく、そういった姿形がわからないことが化学を科学へとステップアップするのに遅れた理由です。)、気に入りませんでした。また、爆発させて生徒を驚ろかす事が主目的のようにもみえ、本当に理科教育として価値ある実験なのか疑問だったのです。
そこで、水の電気分解と組み合わせることにしたのです。生徒(中学生)にとって、電気分解は馴染み深い実験で、酸素と水素が発生していることをよく理解しています。問題は、細いビニルチューブに満たすのに時間がかかるだけでなく、失敗すれば火が発生装置に逆流して爆発し、大きな事故になる可能性もあります。そこで、電気分解装置と点火装置を切り離してから点火する構造を工夫したというわけです。それに、「火の玉ダッシュ」と名づけました。試作第一号品は、仮説実験授業で御馴染みの京都女子高等学校「林純一先生」に差し上げました。早速、授業で利用され、その報告が公になっております。
N理科工業は、「火の玉ダッシュ」を参考に市販品の試作を続けましたが、事故の可能性が完全に解決せず、断念しました。問題は、操作ミスで、電気分解装置と点火器を切り離さずに点火すると気体発生装置が爆発する可能性があるのです。ただ、爆発した場合でも被害が小さくなるように、気体発生装置を極力小さなものにしています。
静電気の問題ですが、市内の中学校に50セットほど、科教協で60〜70セットほど配布しましたがクレームはきておりません。電気分解水槽から水溶液のミストが少し流入するような状況ですから可能性は低いと思います。また、教卓に設置した1台で実験する演示実験ですから、生徒が被害者になる可能性も低いことでしょう。
なお、「火の玉ダッシュ」は、1年以内に出版物でも紹介予定です。
01A−240
差出人:杉原 和男
送信日:02年6月22日
件 名:酸とアルカリ?
Sugiharaです。
中学校理科の新指導要領で、イオンが削除されました。これは大変な事態で、中学校の化学分野は平成14年度から崩壊したといえるかもしれません。教科書を見ると、その薄っぺらさにあきれます。化学とイオンの大きな関係を再認識しました。
新教科書の「酸とアルカリ」ですが、イオン削除の影響で、従来のアレニウスの定義がなくなり色水遊びに近いものとなっています。前の教科書と比べると、あまりにもあっさりしており愕然とします。また、酸性とはリトマス紙を赤く変える性質でアルカリ性は青く変える性質という解説から始まります。リトマス紙は、酸性とアルカリ性を判別できますが、その色変化が酸性とアルカリ性を定義付けているような記述です。これは、変な話です。人間は、指示薬の色変化をもとに酸性とアルカリ性を考えてきたのではありません。教科書にわずかに残った内容が怪しげではお話になりません。
市民として、少なくともアレニウスの定義は学んでほしいと思います。しかし、ここで、気になることもあります。高校では、ブレンステッドの定義やルイスの定義を学びますが、それとの整合性はどうなのでしょう。たとえば、ブレンステッドの定義では、水が酸であったり塩基であったりします。もし、ブレンステッドの定義が本質だとなると、水のpHはどうなのでしょうか? 何がいいたいかというと、pHの話まではアレニウスの定義で説明せざるをえないはずです。そうなるとブレンステッドの定義は、どういう位置づけになるのでしょうか。本当に、ブレンステッドの定義(さらにルイスの定義)を学ぶ意義はあるのでしょうか? などと、疑問がでてきます。
生徒は、酸のすっぱさやぬるぬるした手触りのアルカリとブレンステッドの定義との整合性をどう考えるのでしょうか? などと悩んでいて気付いたのは「酸とアルカリ」と「酸と塩基」の違いと位置付けがカギのように思えてきました。そこで、いくつかの事典や高校の教科書などを見ましたが、その違いを書いてないか、書いてあっても怪しげで理解できません(特に教科書)。大切なことは、酸やアルカリに関係する身近な例、自然の出来事などを数多く知り、その価値を知ることだと思います。ブレンステッドは理解できなくても酸性雨はわかります。いや、ブレンステッドで考えると酸性雨がわからなくなります。
そのような疑問と問題点を意識するとほっておけなくなり、今月末の中学校教員研修講座のテーマを、「身近なアルカリとその利用」としました。アルカリだけに焦点をあてたのは、自然にはあまり存在しないアルカリの利用は台所の化学、そして化学工業の原点の一つと考えられるからです。講座の実施日は迫ってますが、疑問が渦巻いています。ご意見ご指導をお願いします。
ひとつ先のメール(01A−241)に進む。
アルケミストの会の
ホームページ
にもどる。
林 正幸と主万子の始めの
ホームページ(to our initial Home Page)
にもどる。