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01A−001
差出人:鬼塚 公志
送信日:01年8月7日
件 名:ナイターの報告
こんにちは,鬼塚です。
先日は,科教協お疲れさまでした。昨年,ナイターやアルケ合宿に参加できなかった人のためにどういう内容だったかを知らせて欲しいという要望がありました。町井さんに頼まれたと言うこともありますが,ナイターの様子をかいつまんでまとめましたのでご覧下さい。
町井さん内容はこれでいいでしょうか。メールはほとんど読んでいないとの事でしたが・・・・。
−−引用開始
毎年恒例のアルケミストの会のナイターでした。今年は他にも多数の素晴らしいナイターが催されているので参加者が少ないのではないかと思われましたが、立ち見が出るほどの盛況でした。参加できなかった人のために紹介いたします。
1.「トンボ玉をつくる」澤田史郎(大阪)
昨年も紹介しましたが、昨年からの改良点を実演を交えながら話しました。
@トンボ玉はあらかじめ細くしておく。市販のままでは太くてなかなか融けにく
く使いづらいので、火であぶって引き延ばしておけば、融けやすくなって扱い
やすい。
A鉄芯は廃棄自転車のスポークを使用する。鉄芯は意外と曲がりやすくさびやす
い。今まではガマンして曲がっていても使用していたが、自転車のスポークな
ので消耗品と考えるとどんどん使える。質問の中で材料の入手先を聞かれて方
がおられましたので以下紹介しておきます。
「佐竹ガラス」住所:大阪府和泉市幸2−11−30tel:0725−41−01
46
連絡するとカタログを送ってもらえる。
カラーロッド 3000円/kgぐらい (15〜17本ぐらい)
巻き取り線(30cm) 1000円/20本ぐらい 今回径1.4mm・2mm・3mmを用意
離型剤 500円/500g
上記の物は少量だったら東急ハンズの方がいいがやや高い
Bまが玉を作るにはたらす。普通は鉄芯にガラスを巻き付けた後は鉄芯を回しな
がらガラス玉がきれいな形になるように調節する。火から離して回さないでそ
のままにしておくと垂れてくる。それを逆に利用して垂れてくるのをうまく曲
がるようにして調節してまが玉を作っていく。
C剥離剤をとるには歯間ブラシを使う。出来上がったトンボ玉は、水で洗っても
取れるが、歯間ブラシを使うと全部とれる。出来上がったら、100円ショッ
プで販売されているカラーのひもに通すと見かけがよくアクセサリーにも使用
できる。
2.「原始火起こし」町井弘明(神奈川県)
原始火起こしを実演を交えながら古代発火法技能検定2級の町井が紹介。実演
では緊張のためか2分ほどかかりましたが,ほとんどの人は5分以内で炎を作る
ことができるそうです。
@ヒキリ板は杉を用いる。厚さは1cmほどがちょうどよく,1枚で20回ほど火
起こしが出来るそうです。
Aヒキリ棒は中が空洞(白い随など)のウツギやアジサイがちょうどよい。
Bハンドピース(ヒキリ棒を上から押さえつける軸受け)はなるべく堅い木を利用
し,ヒキリ棒が入る穴には滑りやすいように画鋲をさしてボンドで固定すると
使いやすくなる。
C火口(ほくち)はヨモギの葉を乾燥させ,ミキサーで回してフワフワした所だけ
を採取し,密閉式の袋に入れて保存する。
D火種を大きくするには荷造り用の麻ひもをほぐしたものを用意する。
E麻ひもについた火種から炎を作るには,牛乳パックを利用する。底から5cm
ほど牛乳パックを切り取り,それに風通しをよくするように穴を開ける。煙の
でかかった麻ひもを入れて振り回すと炎を起こすことが出来る。
3.「綿菓子機」町井弘明(神奈川県)
綿菓子機は色んな所で作られているが,それらの欠点を補うため方法を紹介した。
@アルミ缶の内側のプラスチックは濃硫酸で溶かす。このプラスチックは環境ホ
ルモンの問題などを指摘されているので,それを最初から取り除くために濃硫
酸を使用した。1回で20個ほどのアルミ缶をキレイにすることができる。使
用後の濃硫酸はカスをザルで越し,石灰で中和して水に流すとよい。
A缶の底の中心に印をつけ,アルミパイプにきつく入る釘を瞬間接着剤をつけて,
金槌で打ち込んで差し込む。
Bマブチモーターは260がちょうどよくモーターの先に瞬間接着剤をつけてア
ルミパイプに差し込む。熱収縮チューブやジョイントを使うと回転にロスがあ
るのでこちらの法が便利である。
C入れ物はアルミの針金で枠組みを作り,ポリ袋を切り開いて貼り付ける。こう
すると使用後は畳んでコンパクトにまとまるので持ち運びに便利である。
4.「NO2を検出する」山本喜一(千葉)
昨年も紹介したことなので詳しいことはそちらの資料をご参照下さい。ディー
ゼルエンジンの排気ガス,空気中,吐き出した息などをポリ袋に集め,それらに
ザルツマン試薬を入れるとNO2やNO2−イオンと反応して赤く発色する。
5.「溶存酸素を測定する」山本喜一(千葉)
アジ化ナトリウムやMnイオンを使わない方法で溶存酸素を測定する方法を紹介。
試料水100mlにメチレンブルー5〜6滴,ロッシェル塩水溶液10mlを加えかき混ぜ
る。これにモール塩溶液を滴下していき色の変化が起きたときのモール塩溶液を
測定すると水の汚れ具合を測定できる。
6.「こんにゃくゼリー」藤田勲(埼玉)
こんにゃくを作る方法は色々と紹介してあるがこんにゃくゼリーを作る方法は
紹介されていないので,試行錯誤の結果市販品に近いゼリーを作ることが出来た
のでその方法を紹介した。仕上がりを食べた人達はおいしいと食べていた。なお,
材料が揃わない場合は,埼玉飯能南高校の藤田に問い合わせると分けてもらえる。
@砂糖15g,こんにゃく精粉0.5g,カラギーナン0.2g,ローカストビーンガム
0.1gを200mlのビーカーに入れてよくかき混ぜ熱湯40mlを加える。
Aかき混ぜながら加熱しよく溶かす。5分ほどして常温の100%リンゴジュース
40ml,クエン酸0.5gを加えてかき混ぜ溶かす。
B最後にラム酒0.5mlを加えてかき混ぜ,ゼリー用カップに移し,氷水で冷やすと
こんにゃくゼリーができあがる。
7.「サイコロ型ミョウバン結晶をつくる」藤田勲(埼玉)
ミョウバンの結晶は正八面体の結晶はあるが,ここにLASの市販の台所用洗
剤を入れ密度拡散法で結晶を成長させると正六面体のミョウバン結晶が得られる。
陰イオン性洗剤のLASが正八面体の頂点に吸着され,頂点の成長を阻害し,相
対的に面の成長が促進されサイコロ型の結晶が得られることを紹介した。
8.「セッケンを作る」盛口襄(千葉)
ロウソクにも使用したステアリン酸やマヨネーズを使って簡単にセッケンを作
る方法を紹介した。またすりごまからフイルムケースを使ってごま油を抽出する
方法を紹介した。
−−引用終了
01A−002
差出人:林 正幸
送信日:01年8月7日
件 名:エントロピー
こんばんは、林です。
科教協大会、アルケ合宿は私の問題意識を高めてくれました。とりわけ「エントロピーの視点で地球のあるべき未来像を描く」課題が重要です。
私のレポートに対する批判を受けて考えてみました。物質はすべて循環させれば、そのエントロピーは増大しません。物質循環は永続できる地球のためには欠かすことができないわけです。そしてエネルギー利用において、それに係わる装置や廃棄物などの物質を循環させるとします。すると太陽エネルギーのみが利用可能なエネルギーを取り出すことができます。他のエネルギーは、それに係わる物質を循環させると、却って余分なエネルギーが必要になります。これは熱力学の第1法則と第2法則ですね。可逆的過程においては、物質を元の状態に戻すことは取り出したエネルギーをすべて使えば可能です。しかし現実は不可逆過程ですから、より多くのエネルギーを使う必要があります。水素を燃焼させれば、1molあたり286kJのエネルギーが得られますが、1molの水を電気分解すると最低でも286kJのエネルギーが必要なわけです。
こうして見ると、地球が45億年かけてつくり上げてきた物質・エネルギーの利用システムの見事さが確認できます。それでは私たち人間はどうすれば良いのでしょうか。
「植物の光合成を促進し、その産物のみを物質とエネルギーの資源にする!」
いやいや、気象現象に転換した水力エネルギーや風力エネルギーも利用できます。ただしその装置も太陽エネルギーで生産する必要があります。そして人工光合成システムを開発するべきです。エネルギーを取り出すためなら、太陽炉、太陽電池、光電池なども考えられる・・・。
しかし他方で産業、生活、人口の制限は不可欠ですね・・・。皆さんは地球にどんな未来像を描きますか。またそれに至るプロセスをどのように考えますか。
ではまた。
01A−003
差出人:山本 喜一
送信日:01年8月8日
件 名:地球からの放射について
こんにちは、山本です。
鬼塚さん、ご苦労様です。私はナイターで演じる方でしたから、自分の実験の用意に忙しくて、他の人の実験を細かく見る暇がありませんでした。鬼塚さんのまとめを読んで、なるほどそういうことだったのかと改めて納得しているところです。
アルケの合宿で、会員が発表したレポートやナイターの実験、合宿の話題などをまとめて冊子にしようという案が通りました。大会に参加できなかった会員や一般の人に、この夏の活動内容を知ってもらおうというわけです。小野先生からは、アルケの実験書の改訂の話が出ました。こういうことを通して、私たちの実践や考え方が広まることが大切だと思います。
ところで、私がまとめた「資源物理学入門」の水の蒸発について、林さんから疑問が出されました。地球表面から宇宙に向けたエネルギーの流れとしては、赤外線放射が多いのではないかという指摘でした。その点について、自分がまとめたプリントを読み返してみましたら、水の蒸発によって放出しているエネルギーは、太陽放射の27%であることが書いてありました。林さんの指摘のとおりのようです。ただ、この水の蒸発が地表のエントロピー減少に多大な役割を演じていることは事実ですね。
では、また。
01A−004
差出人:山本 喜一
送信日:01年8月9日
件 名:エントロピーで見る目
こんにちは、山本です。
アルケの合宿で澤田さんから、なぜエントロピーで見なければならないのかという疑問が出されました。地球には絶えず太陽からエネルギーが流れ込んでいます。それは、雲や地表で反射されたり、いったん吸収されるものの赤外線として宇宙に放射されたり、あるいは水を蒸発させるためなどに使われます。そして結局入ってくるエネルギーと、出ていくエネルギーがバランスされて地表は平均15℃くらいに保たれています。ところが、二酸化炭素が増えると地表から宇宙に向かった赤外線の一部がとらえられ、再び地表に向けて放射されるため、温暖化するわけです。と、ここまでは熱力学の第1法則で説明できます。わざわざエントロピーを使って説明することはなさそうな気がします。だからこそ、澤田さんから質問がでたのだと思います。その質問に対して、私は必ずしもきちんと答えられなかったように思います。改めて整理してみましたので、みなさんのお考えを聞かせて下さい。
まず、熱には使える部分と使えない部分があることは、第1法則では説明できません。石油や石炭を燃やして動力(無駄な部分ゼロ)を作ることを第2法則で見れば、熱エネルギーから無駄な部分(エントロピー)をぬぐい去って動力を得ているように見えます。エントロピーをぬぐい去るには多くの場合、冷水が使われます。槌田敦さんは、動力を作っているのは石油や石炭を燃やした熱ではなく、水で冷やすことだといっています。つまり、水が熱からエントロピーを奪いさることが駆動力になって、熱が動力に変わるというわけです。同じような記述は、安孫子誠也著「エントロピーとエネルギー」(大月書店)にも見られます。われわれ生物も、食物としてエネルギーを取り入れているから生きているというより、常にエントロピー(体温や排泄物)を水によって放出しているから生きているという方が本質的でしょう。
そうやってエントロピーをぬぐい去り、汚れた雑巾になった水を浄化するシステムが地球ののどこかにあるはずです。それが地表からの水の蒸発です。だから、水の蒸発をエントロピー的に見る目が必要になるのだと思います。いかがでしょうか。
01A−005
差出人:林 正幸
送信日:01年8月11日
件 名:エントロピー(その2)
こんばんは、林です。
はじめに、すでに本人から間違い指摘がありましたが、大場さんの苗字を思い違いして連絡してしまいました。友人に大羽さんがいるためだったと思います。正しくは
大場 健彦 さん
です。失礼しました。
昨日、今日(9、10日)は、分会旅行で穂高温泉に行ってきました。安曇野の文化的スポットをめぐる上品な企画でしたが、夜は宴会でしっかり酒を飲みました。ちひろ美術館ではポスターを買い、さっそく居間に飾りました。さいわい、家内にも好評でした。ほかには山岳美術館、とんぼ玉博物館、碌山美術館を訪ねました。とんば玉博物館は1昨年のアルケ合宿の帰りに続いて2回目となります。
明日から3日間、新婚の長男夫婦が嫁さんのお父さんと一緒に来訪します。家内はその料理の準備に余念がありません。そしてお盆と続きます。我が家は禅宗ですので、お盆のお供えは1日3食と果物、おはぎなどのおやつでけっこう忙しいものです。迎え火、送り火もします。そして川が汚れるので中止されていますが、昔は灯ろう流しもありました。
山本さん、地表から失われる熱エネルギーのうち、73%が赤外線放射であるというデータ、ありがとう。自分でも調べてみる必要があるかと思っていました。さて逆に太陽から1年間に地球に与えられるエネルギーは
太陽定数:約2cal/cm2/min
から次のように見積もれます。
3.14×(6400×10^5)^2×2×4.2×60×24×365
=1.08×10^19×60×24×365
=5.7×10^24[J]
雲などによる宇宙への散乱(34%)を除くと、大気を含めて地球が受け取るのは3.7×10^24[J]になります。ただしこのうち多くはすぐに赤外線放射で失われるので、人類が利用できる最大値はこれより相当に小さいはずです。もっとも利用できているのは光合成でしょう。時間がないのでこれについては次回とします。
そしてひとつだけ付け加えたいです。山本さんが9日付けメールで
<引用>
槌田敦さんは、動力を作っているのは石油や石炭を燃やした熱ではな
く、水で冷やすことだといっています。つまり、水が熱からエントロピーを奪い
さることが駆動力になって、熱が動力に変わるというわけです。
<以上>
と書いています。エントロピーを強調したいのは分かりますが、熱機関は高温の熱源とあいまってはたらきます。つまりもう一方でエネルギー源の必要性を忘れるわけにはいきません。というのは「エネルギー源は問題なく確保、利用できる」とは言えないからです。
また次のようにも書いています。
<引用>
そうやってエントロピーをぬぐい去り、汚れた雑巾になった水を浄化するシス
テムが地球のどこかにあるはずです。それが地表からの水の蒸発です。
<以上>
これは、燃料と酸素に比べて燃焼生成物のエントロピーが増加するという問題が抜けないでしょうか。物質を自然の循環システムに乗せていく、あるいは人工的にそれを補助するという課題も忘れるわけにはいきません。ちなみにこの課題はエントロピーの問題であるというより、まさに物質循環の問題です。
ではまた。
01A−006
差出人:四ケ浦 弘
送信日:01年8月11日
件 名:化学物質過敏症時代を生きる化学実験
(前略)
アルケの合宿で「化学実験におけるHCHO汚染とその除去」を発表し、色々意見をいただきました。私は随分化学物質に過敏になってしまい芳香族等の実験はもうやらないというかやれなくなってしまいました。「化学実験はスモールスケールがいいのでは」「日本は実験における化学物質管理にずさんと指摘された」と話したら、小野さんから「スモールスケール実験は30年前に流行したが、OHP等では迫力不足ですたれてしまった」「自分の実験書に対してアメリカ人から、塩素を実験につかうなんて考えられない>とか批判された」ということが出されました。他にもたくさん指摘されたということでしたが、小野さんの実験書のどの項目がどのように批判されたのか詳しく教えていただけないかと思います。よろしくお願いいます。スモールスケールも最近はビジュアル系の機器が進歩し、以前より迫力ある実験観察ができそうに思えます。この辺は竹野さんが詳しそうですね。なんにせよ我々も生徒達も化学物質過敏症時代を生きていくわけで、これからの化学実験に求められることとあり方を追求してみたいと思います。
(後略)
01A−007
差出人:竹野 徹美
送信日:01年8月11日
件 名:あまりに無頓着だった実験の安全性についての配慮
初めてメールを発信させていただきます竹野です。空手道関係などで多忙なため、昨日からやっと自分の時間を得ることができました。忙しかった理由のひとつが修学旅行の下見。10月に沖縄県恩納村で、64世帯の家庭にショートステイによる交流を行います。
さて、四ヶ浦さんが実験の安全性について述べられておりますが、私も実験の安全性には、特に注意をはらうようにしています。生徒にアレルギー体質の生徒が多くなり、実験の安全性を厳密に考慮しないで行うことは、あまりに無責任であると考えるようになったためです。・・・そして、私自身の健康のためにも。私は四ヶ浦さんの気持ち、よくわかります。
シックハウス症候群や化学物質過敏症の予備軍を授業で育てるわけには行きません。だから、原則的にシックスクール症候群を招きかねない演示・生徒実験は、共に排除しています。
1.有毒ガスが生成物質となる実験は行わない。
2.有害性・刺激性のある気体を反応物質に用いた実験は行わない。
3.揮発性の高い有機溶媒(VOC)を用いた実験は行わない。
住宅の安全性について考え、それを実践する過程を通して、有害な気体を吸引する危険がある場合は、授業のよしあしよりも、将来にわたっての健康を優先するのが当たり前だと考えるようになりました。合板を使わず、塩ビクロスを排除するなど、家族の健康に最大限の配慮をしておきながら、授業で生徒たち、そして自分自身を有害な物質に晒す・・・。それはやはり、どう考えても不合理なことです。いままで、化学の授業を考える際に、この点があまりに軽んじられていたのではないかと自省しています。
私は、あすなろ方式プリント黒板の中にある生徒実験、演示実験をすべて映像化しようとしています。映像で、演示実験に代えようと思います。最近まで、実験をスモールスケールにして、ビデオカメラでとった画像をリアルタイムで6台のTVモニターでプレゼンテーションする授業形態をとってきましたが、所詮、回数を重ねれば、生徒、そして私自身にも健康被害が生ずる恐れは充分にあるからです。現在のフォーマットはDVT。デジタルなので、将来はDVDに落として、コンピューターをメディアとして授業を行えるようにしたい。今でもやろうと思えばできるのでしょうが、ハード面、そして私の授業法開発能力がまだついてきていません。
実験技術がうんぬんという意見もあるかと思いますが、有害物質と接するリスクをすべての化学履修生たちに負わせるのは、既に時代遅れであると考えます。・・・しかし、この問題はなかなか難しい。また、折を見て、述べたいと思います。
ではまた。
01A−008
差出人:四ケ浦 弘
送信日:01年8月11日
件 名:化学物質過敏症時代を生きる化学実験−その2−
皆さんこんばんは。四ヶ浦です。
@竹野さん、早速の心強いご意見ありがとうございます。いくつか質問です。たとえ映像化するとしてもリアルタイムと録画では効果が違うような気がします。(特に教師の心持)スモールスケールでもまずいと考えますか?あとすべての実験を映像化というと例えば液体窒素を使った状態変化のようなものも含まれるのですか? 矛盾したことを書きますが、今は体に悪いのを覚悟の上で,見せたい思いに耐え切れず?演示実験をやってしまっている現状です。すべて録画映像の実験というのはどうなのでしょうか?皆さんのご意見もお聞きしたいところです。
(後略)
01A−009
差出人:竹野 徹美
送信日:01年8月11日
件 名:RE:化学物質過敏症時代を生きる化学実験−その2−
ごめんなさい。言葉が不正確でした。「映像化することが困難か、または不可能で、実験による環境へのインパクトがないか、または限りなく小さい実験」・・・は、やっています。四ヶ浦さんのおっしゃる液体窒素などはそれ。これは演示ではなく、生徒実験にしています。なお、「環境」とは、「室内環境」という意味と、「地球環境」と言う意味の、二面があることを私自身は常に留意しています。
また、スモールスケールでも、やるべきではない実験は、やっぱりやるべきではないと思います。塩素の実験はまさにそれ。「史上初の化学兵器」といっておいて、生徒実験するなんて、考えてみると、かなりすごいことですよ。
ただ、リアルタイムと記録は違う・・と言う点は、実は私もそう思っていました。でも、生徒にとっては大差がなかったようです。アンケートによりますとね。むろん、生成物など、物質回覧が可能な物質は、直接、手にとって見られるようにしていますが。
では、とりいそぎ、この辺で。明日は、亡き母の実家、埼玉県秩父郡両神村まで、祖母の墓参りに行きます。
01A−010
差出人:四ケ浦 弘
送信日:01年8月13日
件 名:化学物質過敏症時代を生きる化学実験−その3−
(前略)
竹野さん。早速の回答ありがとうございます。色々参考になります。もう少し教えて下さい。
<引用>
フォーマットはDVT。デジタルなので、将来はDVDに落として、コンピューター
をメディアとして授業を行えるようにしたい。今でもやろうと思えばできるのでしょ
うが、ハード面、そして私の授業法開発能力がまだついてきていません。
<以上>
ということですが、DVTってなんですか?コンピュータもノートを班に一台くらい実験に使えるといいと思うのですけれど、ちょっと無理でどうしても演示になりますね。
では!
01A−011
差出人:高橋 匡之
送信日:01年8月14日
件 名:スモールスケール実験について
こんにちわ、岩手の高橋です。
スモールスケール実験については、今回の私のリポートの中にも紹介があります。仙台の東北大学医療短期大学部の荻野和子先生を中心としたサークルで、私も初めて知りました。このサークルでやっているスモールスケール実験は、セルプレートという、生物の培養実験用のプラスチック容器を試験管変わりに使用しているところです。手軽に、生徒実験として使える器具で、無機化学などの反応で、試験管を何本も使う実験などに、重宝しています。このスモール実験については、「化学と教育」の8月号に掲載されると、荻野先生が話していました。どのような形で、まとめられているのかわかりませんが、私の原稿の一部も掲載されていると思います。ご批判ください。
それにしても、四ケ浦さん相変わらず忙しそうですね。でも、大腸ガンの検査がなんともなくてよかったですね。写真もどうもありがとう。やっぱり、みなさんだんだんお年をめしてきたようです。私も、盛口さんに「ずいぶん、白くなったね」と言われてしまいました。最近、参加していないので、名前のわからない方がいます。名前を教えていただけるとうれしいです。
01A−012
01A−013
差出人:林 正幸
送信日:01年8月14日
件 名:化学実験の安全性
こんにちは、林です。
夏休みも半分が過ぎ、前半に何ができたか気になります。これからは意識的に目標を追及しなくては・・・。
さて四ケ浦さんや竹野さんが提起している化学実験の安全性についてですが、問題は単純ではないですね。たしかに化学物質に過敏な人々が増えていると実感しますが、他方で実物や実験に根ざしてこそ、確かな化学的認識が育ちます。
より安全な実験を目指すのに異存はありませんが、竹野さんも書いているように、すべて画一的にスモールスケールが良いとか、映像で良いと言うことにはできません。私としては塩素でも実物で教えたいです。少々見栄えが落ちることを受け入れ、集気びんから試験管に代えることはします。しかしそれ以上は退却したくはありません。
そして四ケ浦さんがアルケ合宿で言っていた内容(私流にまとめているかもしれません)が重要であると思います。
・予めこの実験はどんな物質を扱い、どんな危険性があるかを伝える。
・途中退室を含め、実験しないことを認める。
もちろん後者は「怠け」でないことを確認する必要があります。これは一見差別に見えますが、個人差を無視するより、それぞれに合った対応こそが現実的であると考えます。逆から見るとそれが可能な生徒たちには、少々の危険は承知で生(なま)の体験をさせたいのです。もちろんこれは、四ケ浦さんのように、教師が過敏症である場合の答にはなっていません・・・。また他方で実験室の安全設備の充実、あるいは化学物質過敏症を生み出さない生活環境が求められます。
ではまた。
01A−014
差出人:四ケ浦 弘
送信日:01年8月14日
件 名:RE:化学実験の安全性
林さん、返信ありがとうございます。ただ、林さんがまとめとされている内容
>・予めこの実験はどんな物質を扱い、どんな危険性があるかを伝える。
>・途中退室を含め、実験しないことを認める。
は町井さんが発言されていたとではないでしょうか?
私はかなり化学物質過敏症になりつつありますが、それでも林さんと同じように実物で教えたくその欲求に耐え切れず実物実験をやってしまっているのです。ただ自分のやっている実験がどれくらいの汚染物質を生み出しているかは正確に把握していたいと思いますので、今後はHCHO以外の実験(H2SやSO2)にも生徒達
とともに取り組んでいくつもりです。
アルケの合宿でも発言しましたが、専門家集団の住みかであるはずの大学の理学部棟は薄片室、電子顕微鏡室を中心にアセトン等の化学物質に対して限りなく無頓着で、私には耐えられない環境です。そういう人は私だけではありません。鳥取先生が新潟でいわれた「化学物質にはなれることも必要!」ということは私には納得できないことです。化学物質過敏症はいま大丈夫だからとか、慣れれば大丈夫という問題ではないと思うのです。
01A−015
差出人:林 正幸
送信日:01年8月15日
件 名:エントロピーとエネルギー
こんにちは、林です。
地球全体の光合成の量を調べてみたら、Bolinら(1979)のデータとして、炭素ベースで
陸上 63×10^15 gC/y
海洋 45×10^15 gC/y
とありました。合計 128×10^15 gC/y です。これを次に熱化学方程式でエネルギーに換算すると
6CO2 + 6H2O(液)= C6H12O6 + 6O2 − 2800kJ
128×2800/72 = 5.0×10^21[kJ/y]
となります。これは前のメールで計算した、1年に太陽から与えられるエネルギー
5.7×10^24[J]
のおよそ0.1%に相当します。ただしこの多くは植物の呼吸や枯死などで失われるので、人間が利用できるのはこの数分の1でしょう。
数百年前まで、人間はほとんど光合成に頼って生活してきました。光合成が素晴らしいのは、食やその他のエネルギー源となると同時に、衣住という物質資源も提供し、かつ廃棄後は生態系の中でリサイクルされることです。物質は全体がリサイクルされれば、物質のエントロピーは一定に保たれるし、そのリサイクルのために増加した熱のエントロピーは、もともと太陽エネルギーの枠内のものだから、赤外線放射によって宇宙に捨てられます。
人間は近年大量の石炭、石油、天然ガスを消費してしています。世界国勢会図によると、1996年における世界の消費量は
石炭 約380000万t
石油 約320000万t
天然ガス 約89000千兆J(=8.9×10^19[J/y])
とありました。石炭、石油のエネルギー換算の式が見当たらないので自己流でやってみます。石炭については
C + O2 = CO2 + 394kJ
石炭の 2/3 が炭素として、1gあたりの発熱エネルギーは
(2/3)×394/12 = 22[kJ]
3.8×10^15×2.2×10^4 = 8.4×10^19[J/y]
石油については
ヘキサンの燃焼熱は4188kJ/mol
C6H14 = 86
石油の90%がヘキサンと見なして、1gあたりの発熱エネルギーは
0.9×4188/86 = 44[kJ]
3.2×10^15×4.4×10^4 = 14.1×10^19[J/y]
まとめると
石炭 8.4×10^19[J/y]
石油 14.1×10^19[J/y]
天然ガス 8.9×10^19[J/y]
合計 31 ×10^19[J/y]= 3.1×10^20[J/y]
となります。これは全光合成量の6.2%に相当します。エントロピーに換算してみると、平均気温が15℃=288Kとして
31×10^19/288 = 1.1×10^18[J/K・y]
です。
以上が間違っていないとして、この計算結果を皆さんはどう捕らえますか。くたびれました。今日はここまで。
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