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00A−316
差出人:林 正幸
送信日:01年6月24日
件 名:RE:身の回りの非科学的なこと

こんにちは、林です。
 昨日23日は恒例の実験広場を開催し、40名ほどの参加でにぎわいました。事務局の若返りも進んで、すこし安心というところです。
 3年の化学Uは天然高分子をやっています。それにしても教科書はどうして紙がないのでしょうか。私は「わらから紙をつくる」という実験をした上で
・植物繊維
・製紙工程
・乾くと丈夫になる理由(紙すきに接着剤はいらない)
・環境問題
などを取り上げました。また紙には、油も水も染み込むという特徴があります。
 さて山本さん、私も、国民が次々に登場する「非科学」に立ち向かう能力を持つことはほとんど不可能であると考えています。やはり国民の立場に立つ民主的科学者の育成が不可欠です。そして国民は、科学的意見の方を選択できる能力を持ちたいと思います。それには思考力と科学の基礎知識が必要です。しかしこれ自身がたいへんな課題ですね。
 言いたくないけど、忙しい。昨夜1年の試験をつくり、今日中に2年をつくらなくては。そして明日には3年をつくりたい。27日(水)から期末試験が始まるからです。提出物点検や質問にも追われていますが、そんな中で2年生が「電子得失表ってすごいアイデア。先生の授業、分かりやすいよ。」と話してくれました。救われるう・・・。
 ではまた。


00A−317
差出人:鬼塚 公志
送信日:01年6月27日
件 名:ボルタ電池のその後

こんにちは,鬼塚です。
 山本さん早速の回答ありがとうございます。生徒の問題行動が立て続けに出てきましたので,返答が遅れました。ボルタ電池で希硫酸の代わりに硫酸銅(U)を使っても電気を取り出すことが出来たし,亜鉛の表面に黒いものが付いたのでメールを出すことにしました。今回,2年生に久しぶりに化学1Bを教えてみて,ダニエル電池からボルタ電池を教えるのにも少し違和感がありました。やはり歴史的見地からみてもボルタ電池の後にダニエル電池を教える方がいいようですね。
 今度,燃料電池を作ろうと竹炭や燃料用の木炭を使いましたが,なりませんでした。仕方ないので福岡まで備長炭を買いにでかけました。備長炭を使うとうまくいきました。デパートで10cm5本1000円でしたが,時間がないので仕方なく購入しましした。他に100円ショップで形は悪いのですが備長炭を購入。100円ショップの備長炭でも遜色なく使用することができました。これで木炭電池を作りましたが,1日中回っていました。
 以上最近の活動です。


00A−318
差出人:山本 喜一
送信日:01年7月1日
件 名:アセトアルデヒド

こんにちは、山本です。
 今年も暑くなりましたね。毎朝、学校へ7時半頃ついて化学準備室にある温度計を見ますと、すでに30℃を越えている日も珍しくありません。この部屋は昼間の熱気をそのままにして、夜を越しているようです。窓という窓を全部開けて、換気扇を回してみてもさほど温度は下がらず、また暑い昼時を迎えてしまいま す。
 そんな暑い時期に、アルデヒドの実験をしました。フェーリング反応をやったのです。そのとき、アセトアルデヒドの試薬ビンをあけてびっくりしました。ふたを開けると同時に、沸騰してきたのです。すぐ理化学事典を調べてみましたら、アセトアルデヒドの沸点は21℃とでていました。こんなに低いとは・・・・。知りませんでした。エタノールよりHが2つ少ないだけなのに、ずいぶん沸点が低いんですね。逆に言えば、エタノールの水素結合って、ずいぶん強いんですね。何(十)年もアセトアルデヒドを使って実験した来たのに、沸点さえ知らなかったという、恥ずかしい話でした。
 では、また。


00A−319
差出人:林 正幸
送信日:01年7月1日
件 名:アルケ通信の資料送りました

こんばんは、林です。
 梅雨どきというのに暑い日が続きますね。日曜は天気が良ければ、朝起きるとまず夫婦で木曽三川公園に散歩に行きます。すぐ近くに素晴らしい国営公園ができたのは幸運です。帰ると庭の藤棚の下で朝食です。これもゆったりとした時間です。それから元気な植物を手なずける仕事に取りかかります。今日は2時まで頑張りました。そしてビールを飲んで、2時間ほどの昼寝・・・。明日は試験の最終日、休みが取ってあるのですが、授業準備の仕事も残っています。
 昨日、アルケ通信3号に次の資料を送りました。
    「高校生の質問」のまとめ
    「MOLの会通信01−1
    アルケミスト「メーリングリスト」の件名
です。今回は授業プリントを加える余裕がありませんでした。町井さんに届くのは2日になるかな。よろしくお願いします。
 科教協京都大会には予定どおり次のレポートを申込みました。
    「物質とエネルギー」の授業
司会も「頼まれてしまった」のでのんびりとは行きません。しかし愛知科教協のナイターからは外してもらいましたので、アルケナイターには顔が出せます。あと、お楽しみ広場に愛知科教協として出展することを考えています。
 アルケ合宿にも参加します。今回は友人の飯田洋治さん(物理)が是非参加したいと言っていますので、仲間に入れてください。彼はこのところエントロピーにのめり込んでいて、報告したいこともあるそうです。
 ではまた。


00A−320
差出人:杉山 美次
送信日:01年7月2日
件 名:ご無沙汰しています

こんにちは、横浜の杉山美次です。
 ご無沙汰しています。横浜の中華街の入り口にある商業高校(女子高)に転勤して2年目になります。私は、姉2人なので、女子に対しては特別な意識がなく、むしろ女子嫌いの傾向がある私でしたが、なんとか慣れてきました。でも、女子ばっかりでは、つまらないです。機会があったら転勤したいと思っています。  アルケの通信は、今年度何も出していません。また、野暮な仕事のため、アルケの合宿に参加できません。
 でも、今まとめているのが2つあります。
1、ティーム・ティ−チングを生かした化学実験の実践の報告
2、決定版「インスタント線香花火」
◆12月の安房塾で、発表させていただければと思います。
◆決定版「インスタント線香花火」は、かなり自信があります。「アクリルの毛糸を燃やすと有毒ガスがでるのでよくない」との町井さんの批判や、杉山の実験はいつも失敗するとの中臺さんの批評に応えて、木綿のひもで、だれがやっても失敗しない、華やかな火花がでる方法をみつけました。取りあえず、化学塾の例会で発表して町井さんの賛同を得てからと思っています。


00A−321
差出人:杉原 和男
送信日:01年7月5日
件 名:お待ちしております!
 「アルケミストの会」の皆さん 科教協「京都大会」へのご参加を心より期待しております。京都大会は6月末で各種申し込みが閉め切られ、急にあわただしくなってきました。実行委員会は参加者も多く、とても楽しくやっておりますが、慣れない事が多く不備もたくさんあることと思います。ご指摘ください。
 「アルケミストの会」として「ナイター」にご出展いただくわけですが、疑問点があれば、京都大会ホームページから担当者にメールを直接出せるようにしましたので、ご利用ください。
 なお、必要なものや困った事、京都の観光案内など、何でも杉原まで相談してください。多分、何とかなります。何とかします!
※すでに、盛口先生から実験器具の準備依頼を受けています。
 ナイターU(4日)に「アルケミストの会」と「京都パスカル」が割り当てられ、「アルケミストの会」への参加はもちろん、見にも行けません。申し訳ない! ナイターTの日(3日)は、「お楽しみ広場」を京都パスカルで運営する関係で、余裕がないのです。
 以下のページから「アルケミストの会」のページにリンクをはりました。ご了承ください。
    http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kyotocom/zyunbi/night.html
京都大会ホームページの更新を進めております。ぜひ、ご覧ください。
    http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kyotocom/


00A−322
差出人:藤田 勲
送信日:01年7月6日
件 名:金属の熱伝導性について

こんばんは、藤田です。
 皆さんは金属のことをどのように教えていますか。金属結合の特徴を自由電子から説明して、金属の物性を次のような特徴をまとめるのが普通かもしれません。
@金属光沢
A延展性
B電気、熱伝導性
これはこれで問題はないと思いますが、金属を材料としてとらえた場合には物足りなさも残ります。私は金属を「空き缶の化学」と「ナベの化学」と題して実用材料としての金属を教えたいと思っています。
 今年は「空き缶の化学」ではアルミ缶とスチール缶の特性をペットボトルとガラスビンとの比較で教えました。ペットは有機高分子(分子結晶)、ガラスは無機高分子(イオン結晶)ですから缶の金属としての特性が捉えやすいと思います。すなわち@に関しては、自由電子を持つ金属は中身が見えない、不透明(金属光沢)ですが、ペットとガラスの電子は構成原子に束縛された電子ですから光と相互作用できずに透明、中身が見えることになりますね。
 またAに関しては、金属は結合に方向性がなく延展性に優れているために薄くても丈夫で軽くできるわけですが、配向性を良くしたペットでも結局は分子同士は分子間力で結びついているためある程度厚くしなければ強度は保てないわけですね。無機高分子のガラスでは強い圧力がかかると方向性のある結合、すなわち結合角に無理が生じて破壊しますからビンとして使う場合にはかなり厚くなりますね。
 最後のBについてですが、ここを今年はちょっと実験を工夫しました。缶やナベとして使う場合には冷えやすさ(缶の場合)や焦げにくさ(ナベの場合)が問題になります。この熱伝導の違いを今年はサーモテープでやってみました。(もうどなたかやられていますか。)すなわち、60度くらいで色の変わるサーモテープ(教材屋のカタログにあるもの)を15cm×3cm程度の大きさの金属板とペットに張り付けます。金属板は銅、アルミ、鉄、ステンレスの4つを用意しました。ペットはボトルを切り抜きます。さらに、試験管にも張り付けガラスのサンプルとしました。これらの端をワリバシに揃えて挟み(試験管は糸で結びます)、1Lビーカーに立てて吊し熱湯を各サンプルの下端が2cm程度浸るように加えます。こうすると、1番早く上端まで色が変わり、熱を伝えやすいと言えるのが銅であることが分かります。次に、サーモテープの変色が上方に伸びているのがアルミ、鉄、ステンレスと続きます。ガラスとペットはほとんどテープが変色しません。ガラスとペットの違いは40度くらいで変色するサーモテープを使えば分かるかもしれません。  これは実際の熱伝導率(W/m・K 1mの厚さの板の両側に1度の温度差があるときに、その板の面積1m2の面を等して1秒間に流れる熱量)のデータと良く一致します。下にこのデータを示します。
銅   アルミ   鉄   ステン  ガラス    ペット
395  240    72   17    1〜2  0.1〜0.4
ナベとして考えた場合には、銅ナベはプロの料理人がよく使うようですが、その理由が分かるような気がします。熱まわりが良いわけですね。また、ステンレスは焦げやすいナベであるという生活実感とも一致します。ガラスは、耐熱ガラスでも加熱調理には向かないと言えるでしょう。ガラスは鉄に張り合わせてほうろうにすることで、ガラスの化学変化しにくいと言う特性と鉄の熱伝導の良さを生かしていると言えるでしょう。また、缶、ボトルとして考えた場合、アルミ缶が最も冷えがよい、ペットは冷えが悪いということになります。しかし、缶・ボトルとして求められる特性は冷えの良さや強度、軽さ、透明性や密栓性、保存(味)の良さだけに止まらず、リサイクルという視点でも考えなくてはいけなことは言うまでもありませんね。皆さんはこの点ではどの材質が優れていると考えますか。また、今後新たな材質の缶・ボトルが登場すると考えますか(最近、密栓できるアルミ缶が登場しましたね。)。
 ところで、金属の熱を伝える媒体は自由電子でしょう。この順は電気伝導性とも一致します。金属の中での熱伝導性の違いは何によるのでしょうか。一方、ガラスやペットではイオンや共有結合している原子でしょう。これが定点で振動することで次々に熱を伝搬していくと考えられると思います。ガラスは3次元的な共有結合をしているのに対してペットでは2次元ですから伝導率に差が出るのでしょう。ダイヤモンドの熱伝導性の良さは3次元の規則正しい共有結合にあるわけですね。
 このように、熱のつたえやすさという物性をそれぞれの物質の構成粒子から見ることで、日常の材料としての金属の特性が一段と見えてくるように思いますが、いかがでしょうか。今回はほとんど調べずに書いてしまいましたので、おかしな点もあろうかと思います。ご指摘願えたら幸いです。


00A−323
差出人:山本 喜一
送信日:01年7月8日
件 名:ボルタ電池の亜鉛板

こんにちは、山本です。
 新しい学校に来て、何とか1学期を乗り越えて、ほっとしているところです。と同時に、自分の授業プリントを読み返してみて、教えたいことが教えられなかったことを反省しています。生徒に慣れることで精一杯の3ヶ月でした。
 林さんのMOLの会通信にボルタ電池の亜鉛板が、なぜ黒くなるのかという質問がありました。私は、亜鉛が希硫酸に溶けることによって表面に微細な凹凸ができるためだと思っています。金属の微粉は黒い色をしていますよね。光が微粉の表面で反射し、となりの微粉にあたってまた反射し・・・、と繰り返していくうちに、外にでてこなくなるので黒いのですよね(きっと)。これと同じことが、亜鉛板の表面で起こっているので、黒いのではないかと思うのです。
 では、また。


00A−324
差出人:藤田 勲
送信日:01年7月8日
件 名:RE:ボルタ電池の亜鉛板

こんばんは、藤田です。
 山本さん、1学期お疲れさまでした。山本さんの学校は私の所と似たような教育環境にありそうですから、山本さんのホッとする気持ちは大変よく分かります。私の場合にはこの時期に疲れがドッと出て何か創造的な仕事(実験)をやろうとする意欲が全然わきませんでした。そして、このまま枯れてしまうのではないかと大変不安な気持ちになったことを覚えています。それが3年目ぐらいから自分なりの授業ができるようになり、生徒の感覚とそれなりにかみ合った授業ができてきて、授業を工夫しようとする意欲もわいてきて、今に至っています。授業は生きもの、つまり生徒あっての教育活動ですから、目の前の生徒の感性や認識とある程度かみ合わないと、いくら「ためになる」、「高度な」、「役たつ」内容でも絵に描いた餅になってしまいますね。ですから、私は今の目の前の現実から出発するしかないと思って、授業プリントを作っています。山本さんはどのような授業を展開するのでしょうか。今後に大いに期待したいと思います。
 ところで、ボルタ電池の亜鉛板の表面の黒くなる原因ですが、私も山本さんと同意見です。金属粉末は黒色ですから、希硫酸で腐食した亜鉛が微粉末になってその金属表面に付着した状態になって黒く見えるものと思います。酸腐食でも構造弱いところ、すなわち粒界から進むでしょうから、表面が一様に平坦に溶けるわけではないでしょう。それで、溶け残りの微粉末も出てくる。この時、溶けつつある亜鉛表面と微粉末を微小な水素ガスがくっつけていて、その表面が黒く見えるのでしょう。金属表面は水で濡れているより気体を吸着しやすいでしょうから、水素を仲立ちとして互いにくっついていても不思議ではないはずです。。アルミ箔を希塩酸に浸すと、やはり溶ける過程で黒色の粉末を生じますね。最終的には透明になりますが。家のアルミナベでも食品によっては黒ずむことがあります。アルツハイマーの心配はないのかな。
 では、また。
(この何日か大会レポートを書いているところです。なかなか骨が折れます。)


00A−325
差出人:林 正幸
送信日:01年7月12日
件 名:多価イオン電池

こんばんは、林です。
 今夕は久しぶりに夕立風の雨が降り、ほっとしたところです。それにしても今年の梅雨は雨が降りませんね。このままでは夏の水不足は必至です。
 山本さん、藤田さん、ボルタの電池の亜鉛板の黒変についての説明をありがとう。次のMOLの会で必ず紹介します。
 そして藤田さんが
<7月8日づけメール>
それが3年目ぐらいから自分なりの授業ができるようになり、生徒の感覚とそれなりにかみ合った授業ができてきて、授業を工夫しようとする意欲もわいてきて、今に至っています。授業は生きもの、つまり生徒あっての教育活動ですから、目の前の生徒の感性や認識とある程度かみ合わないと、いくら「ためになる」、「高度な」、「役たつ」内容でも絵に描いた餅になってしまいますね。ですから、私は今の目の前の現実から出発するしかないと思って、授業プリントを作っています。
<以上>
と書いています。その通りですよね。他方で、このことを原点にできなくて不満ばかり言っている教師がいます。たしかに関心を示さない生徒には途方に暮れますが、教師の工夫に乗ってくるかぎり、教育は可能です。
 今日は仕事の合間に新しい電池の実験をしてみました。黒鉛板にろ紙2枚を載せて塩化鉄(V)水溶液を染み込ませます。セロハンを被せてさらにろ紙2枚を載せて塩化スズ(U)水溶液を染み込ませ、黒鉛版を被せます。これで数秒はソーラーモーターがまわりました。もうすこしパワーのあることを期待したのですが・・・。電圧を計るとおよそ4.5V前後です。そして電流は10mA弱あります。この電流は30分ぐらい続きました。そのあと塩化鉄(V)水溶液側のろ紙を見てみるとほとんど無色になっていました。次に手まわし発電機で充電すると、ハンドルがしばらく自分でまわるようになります。そして塩化鉄(V)水溶液側のろ紙は黄色に戻っていました。ただしハンドルがまわるのはこの電池が充電できたためではないようです。塩化スズ(U)水溶液には加水分解を防ぐためにかなりの塩酸を加えました。そこでろ紙に塩酸を染み込ませて黒鉛版でサンドイッチにして手まわし発電機をつないでまわすと、同じようにハンドルが自分でまわるようになります。
 さてこの電池の反応は
    負極:Sn2+ ―→ Sn4+ + 2e-    (酸化還元電位:−0.15V)
    正極:2e- + 2Fe3+ ―→ 2Fe2+ (逆反応の 〃 :−0.77V)
であると考えます。十分な裏づけはないのですが、10mA弱の電流が長く得られるのは副次的な原因ではないと思うからです。
 ではまた。


00A−326
差出人:杉原 和男
送信日:01年7月12日
件 名:電極の黒変について

アルケミストの会の皆さん 杉原和男
 先日、いただいた電極の黒変のことですが、理由はどうあれ、中学生にとってわかりやすい電極反応となり、それを利用した学習を昨年度まで行ってました。
※以下の報告文では電極の黒変をさらっと触れていますが、最も意味のあるものと考えています。
 要するに、ナイロンタワシで磨いた鉛玉は、充電するに従ってはっきりと黒変するようになったのです。このことに当初は気付かなかったのですが、電極の鉛玉を盗られて新品と交換してわかったのです。新品の鉛玉を用いたグループの結果は、あまり黒くならなかったのです。「まさか?」と思いつつ鉛玉をナイロンタワシで磨いて実験すると、見事に黒変したのです。もう一方の鉛玉は還元されて、きれいな鉛の金属光沢を見せます。その対比が見事です。
※後かたづけとして鉛玉を磨かせ続けたことが幸いしました。
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1.鉛玉と重曹を用いた二次電池
 実験室学習で用いる二次電池を製作した。電極には釣り用の鉛製の丸おもりを用い,電解液は家庭でも利用される重曹の水溶液を用いた。電解槽は,気体の捕集をしやすいように電極端子を水槽の下面に出した。これにより,電極表面の変化を観察しやすくなっただけでなく,丸おもりを取り外しての洗浄作業も簡単にできる。
2.製作意図
 平成10年度化学領域共同研究の結果,身近な素材で作る実験用二次電池としては,電極に鉛,電解液に重曹(炭酸水素ナトリウム)を用いると性能がよく,工作用のモーターや携帯用ラジオを動かせることがわかった。重曹は家庭でよく用いられる安全な試薬である。また,電極の鉛は,生徒も入手しやすい釣り用の丸おもりとした。丸おもりは,穴が開いており,電極として保持しやすいよさもある。
 充電中に,陽極・陰極の丸おもり表面から気体が発生するとともに,電極表面にも違いが見られる。これらを観察しやすいように,電極端子を水槽の下面に設けた。また,電解液が入れやすく,丸おもり電極の洗浄もしやすい。
3.装置の概要
 電解槽は,底に5mm厚の黒色アクリル板,側面に5mm厚の透明アクリル板を用い,内径50×90mm,高さ50mmとした。電極端子を通すため,底板中央に20mm間隔で直径3mmの穴を2つ開けた。また,底板の下面に両面テープで5mm厚の黒ゴム板を貼り付け,電極端子からの液漏れを防いだ。なお,電解槽の下面に5mm厚の透明アクリル板2枚で高さ50mmの足をつけ,下部に出た電極端子を浮かした。
 鉛電極は釣り用の丸おもり25号を用いた。
 電極端子は,図1のように,銅製太鼓鋲と銅釘をはんだづけして自作した。電解槽の内側底面の穴に電極端子の銅釘を挿した。太鼓鋲のピンに丸おもりの穴を挿した。なお,太鼓鋲にははんだめっきをしてさびを防いだ。
 電解槽の前面にシールを貼り,電極端子の+・−極を明示した。これによって,充電前後の極性の混乱がない。
4.学習での活用
 電解液に約3%の重曹水溶液を用い,手回し発電器(商品名:ゼネコン)で充電した。充電中は陽極で酸素,陰極で水素が発生し,気泡の大きさや発生量の違いが観察できる。陽極では,発生した酸素と電極の鉛が反応し,表面が黒褐色の酸化鉛になる。陰極は,還元作用で鉛の金属光沢が観察できる。このように,電極による酸化還元反応を鉛表面の色変化で確認することができる。なお,丸おもりが新品の時は陽極の黒変が十分でない。ナイロンタワシで数回磨いてから実験すると黒変が明瞭になる。
 充電後は約1.5Vの電圧がある。充電時間によってソーラーモーターを10分以上回すことができる。学習では2つを直列につなぎ,3Vで作動する携帯用ラジオを鳴らした。
 実験後,丸おもりを取り外し,表面をナイロンタワシで磨くと再実験できる。
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 科教協「京都大会」ホームページの更新を続けております。ご覧ください。
    http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kyotocom/index.html
  (写真は省略)


00A−327
差出人:鈴木 久
送信日:01年7月15日
件 名:アルケ合宿の件

アルケのみなさん こんにちは 鈴木 久です。
 アルケの資料を見て、私もアルケ合宿を小野さんに電話しました。しかし、留守電のためきちんと伝わっているのかはなはだ心もとないです。大会現地ですので、飛び回っておられると思いそれ以上は何もしていません。個別で当たるのも小野さんの方で大変だと思うので、合宿参加希望の方で私のようなケースがありましたら メールください。
 名前 参加形態 どういう方法で参加希望を出したか(例 電話で留守電へ、ハガキで出したが遅かったまだ間に合うだろうか? など)できれば 日にちまでわかれば言う事ないのですが・・・
 まとめて、電話ダメならファクスで送りたいと思います。17日までお待ちしています。


00A−328
差出人:藤田 勲
送信日:01年7月15日
件 名:ガス漏れセンサーのこと

こんにちは、藤田です。
 今日は表題の件でメールを送ります。共有結合と分子結晶の所で「プロパンガスの化学」と「ドライアイスの化学」と題して、私は前者では家庭用燃料ガスの学習をすることにしています。分子間力は弱く分子は普段は気体ですから、気体の一般的な学習としてここでは分子運動をイメージさせたいと考えています。
 水素やメタンなどの分子式と構造式を簡単に学習して気体の分子運動と拡散を説明します。この時、プロパン(LPG)とメタン(LNG)を使ってシャボン玉にして飛ばして密度の違いを示し、さらにガス漏れ(拡散混合)によるガス爆発をやはり酸素との混合ガスにしてシャボン玉にしてから点火して演示実験をします。生徒を前に呼んで、飛んだシャボン玉に火をつけさせたり、混合ガスのシャボン玉に火をつけさせたりすると結構盛り上がります。ついでに、ガス漏れセンサーを使ってセンサーも鳴らして見せ、実際的な知識を身につけさせたいと考えています。
 ところで、このガスセンサーですが、私はプロパン用のものを使いました。センサーはプロパンやメタンはもちろん、お酒や香水、ガソリンでも反応しますね。二酸化炭素では当然ダメでしたが、メタノールやアンモニア、水素でもOKなのです。センサーは還元性のガスや揮発性の有機物を認識しているようですが、今ひとつはっきりしませんでしたのでセンサーに関して色々と調べてみました。
 センサー部分は酸化スズ(W)(SnO2)で、これはn型の酸化物半導体を使っています。すなわち、酸化スズ(W)を還元的な雰囲気で加熱すると、そのごく一部は次のように反応して非局在化した電子を伝導帯に供給できるようになり、本来は絶縁体である酸化スズ(W)の化学量論性がこわれて電子が伝導電子になり電流を運べるようになります。これが酸化スズ(W)がn型の酸化物半導体になる原理です。
  SnO2 == SnO +1/2O2 ・・・・・・@
  SnO == Sn + 1/2O2 ・・・・・・・A
  Sn == Sn2+ + 2e- ・・・・・・・・・B
  Sn2+ == Sn4+ + 2e- ・・・・・・・C
@とAの反応は酸化スズ(W)の還元的な分解反応で、酸素を結晶の外に放出してスズを生じます。Bは生じたスズがイオン化して電子を伝導帯に供給する反応です。酸化スズ(W)の酸化物イオンのあった格子点は空の状態です。Cはさらにスズ(U)イオンがイオン化して電子を供給する反応です。このように化学量論性がこわれることで電気伝導性を生じた酸素不足の酸化スズ(W)、すなわちSnO2-xと書けるような化合物を不定比化合物と呼んでいます。酸化亜鉛は亜鉛過剰のZn1+xO(過剰の亜鉛は格子間にある)と書けるn型半導体に、一方、酸化銅(T)は酸素過剰のCu2O1+x、酸化ニッケルはニッケル不足のNi1-xOと書けるp型半導体になるようです。

    伝導帯
    ●  ●
−−−−−−−−−−
    ↑  ↑
   -○- -○- -●- Sn2+ (ドナー準位)

--------------------
///価電子帯//// 
図 酸化スズ(W)のバンド構造

 なお、不定比性は典型元素の化合物でも作り出すことが可能で、例えば、金属ナトリウム蒸気中で食塩を加熱すると過剰のナトリウム原子が結晶中に進入してくることが知られています。食塩はショットキー型の格子欠陥、すなわち陽イオンと陰イオンの一対の空格子点を生じるため、ナトリウム原子は結晶表面でイオン化し、生成したナトリウムイオンは陽イオンの空格子点に落ち着き、同時に生じた電子は陰イオンの空格子点に補足されるまで拡散します。正に帯電した6つのナトリウムイオンに静電気的に囲まれた電子は、あたかも水素原子中で電子が陽子に束縛されているような感じで運動(量子力学の教科書に「箱の中の電子」という高いエネルギー障壁に囲まれた電子は量子化されたエネルギーをもつといった問題がありましたが、あの場合のようです。)しているようで、特定の可視光を吸収して励起状態になることができます。このため、Na1+xClで表せるような、わずかな不定比性を持った食塩は青色(橙から茶色、あるいは黄褐色、はたまた緑がかった黄色や深い黄色がかったオレンジ色という文献もある)に着色するそうです。このような電子はF中心と呼ばれています。不定比性による着色効果は10000個の塩化物イオンにつき1個程度の電子が存在するだけで可能で、F中心の電子が増えすぎると結晶は黒くなってしまうと言われています。

伝導帯
−−−−−−−−−

   --●-------
    ↑
   -○-  -●- 過剰ナトリウムの電子(不純物準位)

--------------------
///価電子帯///
図 ナトリウムをドープした食塩のバンド構造

 実は天然の紫水晶の着色もこのF中心によるものと考えられています。紫水晶中では極微量のFe3+がSi4+に置き換わっていますが、この時不足した正の電荷はFe3+と等量のH+が格子間に存在することで結晶は電気的中性を保っています。この結晶が地下の何らかの放射線源による照射を受けることで、SiO4~2-から置き換わったFeO4~5-から電子が放出されてプロトンに補足されると考えられています。
  FeO4~5-  + H+ →→  FeO4~4- + H
この結果、FeO4~4-は電子不足の状態になり、その中心は捕獲された正孔(ホール、+1の電荷を持つ電子)を持っているように振る舞い、これが色中心になると考えられています。微量のAl3+イオンを含んだ煙水晶の場合も同様です。これらはドープ量は違うものの、ちょうど単体のケイ素にアルミやホウ素をドープしたp型半導体の生成原理と同様ですね。

     伝導帯
−−−−−−−−−

     --●----●---電子不足のFeO4~4-の孤立準位
      ↑   ↑  (アクセプター準位)
--------------------
////○//○//
///価電子帯///
図 紫水晶(Fe3+をドープしたSiO2)のバンド構造

 また、このようなF中心による着色はX線やγ線など高エネルギーの放射線の照射によって人工的にも作り出すことが可能です。放射線は結晶中の塩化物イオンの持つ電子をはじき飛ばして塩素原子ラジカルと自由電子にします。塩素原子ラジカルは隣の塩化物イオンとCl2-のような分子タイプの格子欠陥を形成して結晶構造に乱れを(欠陥)を生じさせます。自由電子はこの結晶中を拡散した後に塩化物イオンの空格子点を見つけてそこに落ち着きます。私は鉱物展(神田の三省堂で時々開かれる)でピンク色の岩塩を見たことがありますが、おそらくこの岩塩は地中にいる長い間に地下放射線源からの放射線を受けることで着色したのでしょう。掘り起こしたときにはもっと鮮やかなピンク色をしていたそうで、時と共に格子欠陥にとらえられていた不安定な電子が熱運動をする結果、もとの場所に移動して塩素ラジカルを塩化物イオンに戻す(この時にはおそらく弱い発光があるはずです)ために、F中心の電子が減って色が薄くなっていくものと思われます(蛍石の加熱による発光と同じでしょう。)。着色している塩を水に溶かせば無色の塩水になることは明らかですね。放射線による鉱物の着色は水晶(褐色、黄色、緑色など)やトパーズ(赤)、蛍石(緑)などで実用化されています。
 さて、話が大分横道にそれました。次回は酸化スズ(W)をn型半導体にしたガス漏れセンサーがどのようにしてガス漏れを感知しているのかを説明します。
 それでは、また。


00A−329
差出人:林 正幸
送信日:01年7月30日
件 名:科教協大会「お楽しみ広場」の準備

こんばんは、林です。
 夏休みは皆さん、忙しそうですね。そして杉原さん、小野さん、大会の準備ご苦労さまです。
 補習や部活指導の合間に分科会レポートの印刷と、お楽しみ広場の準備をしています。今回は次のものを出展します。
  「パワフルな ダニエル型電池」
    (−)Zn|NaClaq‖satdCuSO4aq|Cu(+)
  「非金属がはたらく ヨウ素電池」
    (−)Zn|NaClaq|I2・C(+)
  「電気の力で 字を書いたり消したり」
    陽極にしたステンレス板の上の、フェノールフタレインを加えた硫酸ナトリウム水溶液を
    染み込ませたろ紙に、陰極にした黒鉛棒で赤紫色の字が書ける。
    そして電極を入れ替えると字が消せる。
 そう言えば杉原さん、炭酸水素ナトリウムを使った鉛電池は、どんな反応が起きているのでしようか。これはアルカリ電池の一種と言えるのですか。硫酸鉛(U)の代わりに炭酸鉛(U)ができるのでしょうか。
 藤田さん、文献学習は健在ですね。おかげで勉強になります。「ガス漏れセンサー」の後編を楽しみにしています。
 アルケ合宿、都合のつかない人もいるようですが、楽しみにしています。今回は私の友人の飯田さんが特別参加しますが、よろしくお願いします。
 それでは京都で会いましょう。


00A−330
差出人:杉原 和男
送信日:01年8月2日
件 名:お待ちしております!

「アルケミストの会」の皆さん  杉原和男
 科学教育研究協議会「京都大会」も目前に迫りました。
 本日(1日)は、分科会会場となる同志社高等学校で、各種資料の袋詰やレポートの仕分け作業などを行いました。800セット作りましたが、種類も多く大変でした。しかし、参加者は皆さんボランティア活動で、とても気持ちの良いものです。
 アルケの皆さんは、「科学お楽しみ広場」や「ナイター」や「レポート」など大活躍の予定で期待しております。私は、盛口先生の「ナイターT」には参加できますが、アルケの「ナイターU」の時は、「京都パスカル」の方に出なければなりませんので、失礼します。
※「京都パスカル」として「科学お楽しみ広場」を担当しており、当日は広場の受付におります。困った事は、私に相談してください。
※おみやげの「褐簾石(放射能鉱物)」は、私が担当しました。どのようなものかは、近々に、私のホームページにアップします。
 5日の合宿には参加しますので、よろしくお願いします。合宿については小野先生にすべてやってもらってます。現在、13名の参加予定で、5日の「終わりの全体会」が終了後(午後2時)に、同志社高等学校を出発予定です。


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