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00A−181
差出人:岡田 晴彦
送信日:01年1月30日
件 名:白金を王水に溶かす方法
名古屋の岡田です。しつこくてすみません。
白金を王水に溶かす方法につきまして、先日はじをかいたので、今日もう一度きちんと実験してみました。そしたら、溶けました。方法は、ホットプレートにシャーレを置き、ここに、王水を流します。私は濃硝酸1mlと濃塩酸3mlの王水を使用しました。この上に「カタニ産業」のポリエステルのフイルムに貼られた白金箔が下面になるようにかぶせて、ホットプレートのスイッチをオンにしたら、しばらくして白金がすべて溶けました。
前回の失敗はシャーレの上に白金箔を白金が上面になるようにしき、ここへ王水を流してから、スイッチオンにしたことでした。温かい季節に再び実験してみますが、冬場に関しては、白金が王水に溶けるための条件は温度のようです。しかも、かなりの高温にする必要がありそうです。成功したのは、白金と王水の上にポリエステルのフイルムが「ふた」をするようにおおいかぶさって、加熱を助けたような状態でした。これはかなりの高温になっていそうです。一方、失敗した方は、白金の上が空気で温度が下がっているようです。
アルケの皆さんも、もし新しいことが分かりましたら、また教えてください。
00A−182
差出人:杉山 剛英
送信日:01年1月30日
件 名:白金
大体当初の予想通りみたいですが、加熱の仕方によるとかっていうのじゃなくて、王水そのものの状況によるような気がします。つまり、1硝3塩で加えたつもりでできたつもりの王水の力価(こういう表現もあまりないと思いますが)にも関係ありそうな気がします。熱しても溶けなかったというのは、実はきちっと王水になっていなかったとかということではないのでしょうか。夏と冬の水温差はせいぜい15度くらいと思います。
自分で試してみたいのですが、今年の予算はすべて使い切ったため、3月の文部省の少額設備予算50万円がくるまで白金箔を買えません。
どなたか白金箔に濃硝酸を加えて、そこにパラパラと食塩をかけてもらえないでしょうか。この方法だと、食塩の粒の付近は高力価の王水ができると思いますので、対照実験になると思いますが。
00A−183
差出人:岡田 晴彦
送信日:01年2月1日
件 名:濃硝酸と食塩を白金に
名古屋の岡田です。
北海道の杉山さん、アドバイスありがどうございました。早速、白金に濃硝酸をたらし、その上に食塩をふりかけてみましたが、半日変化しませんでした(さらに、1晩放置しています)。明日、ホットプレートの上で同じ実験してみます。しかし、金箔は見事に溶けました。金箔に濃硝酸をたらした上に食塩をふりかけたら、すぐに金箔が溶けてしまいました。この実験も奥が深そうです。
また何か情報がありましたら、ご連絡ください。
00A−184
差出人:高橋 匡之
送信日:01年2月4日
件 名:RE:通信チェックをしてください
ご無沙汰しております。岩手の高橋です。
年末から、正月明け、ほとんど休みなしで働いていました。完全に、労働基準法違反の状態です。でも、今3年生の担任をしているので、仕方がないかなと諦めています。大学受験の出願もほぼ終わり、少しだけ気持ちにゆとりがでてきて、メールを書いています。
◎林さんの件ですが
野中さんの「大変だ」が届いていません。
◎ようやく、本など読むゆとりができてきました。
@ 「悪問だらけの大学入試」―河合塾から見えること 丹羽健夫著 集英社文庫
この本は、センター試験の生徒引率で、県立大学に行ったとき、生協で見つけました。テレビのニュースでも、河合塾で「大学入試問題」を請け負っているとことを聞き、大学入試真っ只中にいるものとして、とても興味があり、すぐ買いました。中味は「入試問題が変だ」から始まって、現代の高校が抱えている諸問題に話が展開しています。
第1章 悪問だらけの大学入試
第2章 大学入試問題作ります
第3章 大学生の学力低下問題・鍵は入試問題に
高校の予備校化で、もだえ苦しむ予備校講師
高校教師大受難の時代
トップ校も巻き込んでしまった受験管理体制
本質理解にもどろう
第4章 できる子は本当にできて、できない子は本当にできない か。
第5章 後発大学は東大に勝てるか
第6章 予備校ララバイ
第7章 学校という国の装置は存続できるか
A 「医学生」 南木佳士著 文春文庫
発端は、うちのクラス医学部希望者がやたら多いということです。その割には、自分が医療というものをあまり教えることができなかったなあと反省をこめて今さらですが、読んでいます。南木さんという作家については、日教組教研理科分科会の共同研究者の最首悟先生から紹介していただきました。著者は、以前芥川賞を受賞した秋田大学医学部第2期生で、私と同じ年だということが分かりました。そのせいか、学生時代の記述になつかしさがあり、久しぶりに小説を読みました。生き帰りの新幹線の中で一気に読んでしまうほど、面白かった本です。私たちが経験したことない、解剖実習や解剖学口頭諮問の様子、「外来実習」など、医学部生活の中でも、特に印象的であり、しかも人としての考え方、特に「死」を見つめていく体験を中心に話が展開していきます。良心的な医師ほど、患者の死に直面して、いろいろと悩むことが多いのだということ。医師という職業の大変さを垣間見たような気がします。
B 「がんばらない」 鎌田實著 集英社
この本は、車を運転している時に、ラジオから流れてきた本の紹介コーナーで聞いて、読んで見ようと思った本で、やはり医療に関する本です。ふだん「がんばれ」「がんばれ」と言い続けている私にとって、理解できないこのタイトルでしたが、読んでわかりました。悪性のガンで死に直面した患者に対して、著者が思ったことが「がんばらない」だったのです。
『最後の外泊のとき、彼は墓地を見に行っている。「母さん安心したよ。俺の行くところを見てきた!八ヶ岳が見えて、霧ケ峰、蓼科山に見守られて景色のものすごくよいところだね。おまけに俺の部屋の障子まで見えた。いいところだったよ。」さばさばと口にする研治くんの言葉に、家族は涙だけは見せまいと必死にこらえたという。それから少したって、研治くんに呼吸困難がおきた。「弱気になるな!がんばれ!」とは家族の誰の口からも出なかった。これ以上生きてほしいと願うほうが、どれだけ残酷なことかわかっていたのだ。もう彼にこれ以上誰も「がんばれ」といえない。ぼくは「がんばらない、がんらない。これまでよくがんばってきた、もうがんばらなくていいよ、きみはきみのままでいいんだよ」と胸のうちで思った。』
今、読んでいる最中なのですが、著者は学生運動で逮捕歴があるという。そんな著者が長野県の諏訪中央病院に赴任した。病院は今にもつぶれかけていた。その病院が、次第に地域住民に理解されていく話(これから読むところ)が書かれてある。
C 「宮澤賢治をめぐる冒険」−水や光や風のエコロジー 高木仁三郎著 社会思想者
昨年亡くなられた高木先生の本です。花巻には、毎年「賢治祭」というのがあって、色々な賢治にまつわる催しものがあります。講演会も開催されます。今から13年前、高木さんが花巻に呼ばれて「科学者としての賢治」という講演を行い、その時の講演が文字として紹介されています。
今思うと、宮澤賢治さんも、妹「トシ」の死に直面してから、考え方が変わっていくような気がします。賢治さんが自然に対して、どのように感じていたのかを作品を通しながら、高木さんなりの解釈をしながら、自然観・世界観を展開しています。とてもわかりやすい本です。これは、だいぶ前に読んだのですが、いつか山本さんに本の題名を間違えて教えてしまったことを思い出して、正しい名前を紹介することにしました。
ごぶさたしていますが、生きています。昨日から大雪がふり、子ども(小2)と一緒に今日はスキーに行ってこようと思っています。
00A−185
差出人:岡田 晴彦
送信日:01年2月4日
件 名:図説編集担当者からの回答がきましたが
アルケの皆さん、また失礼します。
まず、通信欄チェックについて、野中さんのメールはずいぶん届いていません。岡田のアドレスの確認をお願いします。また、中だいさんの1月1日のメールも届いてないようです。(それまでは届いていたのですが)
杉山剛英さんのご指摘の実験(白金に濃硝酸をかけて食塩をふりかける)ですが、その方法では溶けませんでした。さらに、ホットプレートの上にシャーレを置き、ここに濃硝酸をたらし、食塩をふりかけた上に白金(ポリエステルのフイルムに貼り付けてあるものを下向きにして)をかぶせて、スイッチを入れて加熱しましたが、白金が少し溶けたか、白金が熱のために縮んだのか分からないような変化がありました。
また、金を王水に溶かす実験は環境があまり悪化しませんが、白金を熱王水に溶かす実験は塩化水素や塩素?などがかなり発生するので、ドラフトの中で行わないと大変なことになります。私は、ビデオに撮影したものを生徒に見せようと考えています。
それから、杉山剛英さんの「どきどき化学なるほど実験」を購入して、勉強させていただくことにします。
最後に、東京書籍「ビジュアルワイド図説化学」に白金が王水に溶ける写真がのっています(杉山剛英さんにご指摘いただきました)。そこで、次のように質問をしてみましたところ、下記のような回答が届きましたので、お知らせします。実験の方法は四ケ浦さんに教えていただいた方法です。
<質問>
上記の実験について質問します。白金箔を二種類(堀金箔粉(株)052-741-1189)、カタニ産業(株)076-263-6111)購入し、以下(1)のように実験したところ、うまく溶けませんでした。そこで、(2)のように実験したら、よく溶けました。
(1)図説p99の写真のように、試験管に入れて放置、さらにバーナーで加熱しましたが、白金箔は王水に溶けませんでした。シャーレに白金箔を入れ、王水を浸して放置しても溶けませんでした。
(2)ホットプレートの上にシャーレを置き、この中に白金箔を入れ、王水を浸して、スイッチをオンにして加熱したら、しばらくして溶けました。
そこで、質問です。図説p99のように、試験管で溶かす方法には何か条件があるのでしょうか?例えば、温度、また、私のような設備の貧弱な施設で実験している者では出来ませんので教えてほしいのですが、シャーレの上での(2)のような実験では溶けるので、温度の他に空気に接する面積などは関係ないでしょうか?
以上、よろしくお願いします。
<編集担当者からの回答>
図説の写真は、常温でしばらく放置して反応したものと思います。王水は不安定ですから、使用する直前に調整すること、濃硝酸や濃塩酸は新しいものを使用することなどが、ポイントになると思います。加熱の問題ですが、濃硝酸も濃塩酸も揮発性なので、加熱と共に濃度が減少するので、加熱しすぎるのはよくないと思います。そういう意味では、ホットプレートで加熱したのはちょうどよかったのだと思います。
また、酸素の濃度は関係ないと思いますが・・・。王水の酸化力は濃硝酸と濃塩酸から塩素と塩化ニトロシル(NOCl)を生じて発揮し、酸素とは関係ないですから。
それから白金の材質などとの関係についても考慮する必要があると思いますが・・・。
この実験は特別問題ない実験と思います。図説の写真は常温でしばらく放置して反応したものと思います。
<岡田の感想>
昨年、名古屋の工芸高校の先生が、「マグネシウムを常温の水に入れてフェノールフタレインを加えたら、水やマグネシウムの周囲が少し赤くなった。この結果は正しいのでしょうか。」と、その使用している教科書会社に質問しました。
教科書会社は、著者に追実験をしてもらい、同様の結果が得られ、「以上から、常温の水とは反応しないと考えられていたMgが、反応して水素を発生したことを確認できました」「金属だけではないのですが、性質というものをちっちりと分類できるものではないことを、改めて認識いたしまた。」と誠実な返事をいただきました。
教科書と図説の違いやマグネシウムと白金と値段の違いもあるとは思いますが、少し残念な回答でした。
また、温かくなったら、常温で挑戦してみたり、白金の純度などのことも調べたりして、再び、質問してみるかもしれません。
また、新しいことが分かりましたら、教えてください。
00A−186
差出人:山本 喜一
送信日:01年2月4日
件 名:ナトリウムの金属光沢について
こんにちは、山本です。
4日間の嵐のような教育研究集会が終わり、その余韻が僕の中に残っています。理科分科会は基礎基本論議の連続でした。中身をまとめたら、送りたいと思います。
金属ナトリウムの光沢ですが、試験管内でそれを見せる実験を、私はHPで紹介しています。ナトリウム片と灯油を試験管に入れて加熱。ナトリウムが融解して水銀のようになったら、火からはずして、一回り小さい試験管をその中に入れるというものです。溶けたナトリウムが大小の試験管にサンドイッチされて広がり、金属光沢がよく見えます。これも試してみて下さい。
それから、PDF等の添付ファイルですが、やはり無理なようですね。しばらくは止めましょう。HPに掲載する手もあるとは思いますが、著作権違反にならないかどうか心配です。ちょっと情報を集めてみます。
では、また。
00A−188
差出人:中臺 文夫
送信日:01年2月7日
件 名:RE:ナトリウムの金属光沢
こんばんは、中台です。
1月2日にメールをひらいて返信を書いている間にコンピュータがおかしくなり、そのまま二度と立ち上がらなくなりました。ようやくハードディスクをフォーマットしなおして、様々に邪魔をしていた古いOSを処分して何とかコンピュータは動くようになったのですが、ついにメールは送れるようになりませんでした。どうも、IDというやつが邪魔をしているらしいのです。IDまたは登録名が間違っているというメッセイジが入ります。
というわけで、このメ-ルは、マックではなくてウインドウヅで書いてます。約1ヶ月復旧にかかってしまいました。従って、まだメールは1月4日の分を読んでいるところです。
そうそう今年も宜しくお願いいたします。
00A−189
差出人:杉原 和男
送信日:01年2月8日
件 名:紫いもの旬です!
とにかく多忙で、最悪事態に陥っております。中間管理職という立場にいると、有無を言わせぬ仕事の命令は次々と降りてきます。しかし、どこへも仕事を振れないのです。私は、もともと要領が悪いという事情もあり、もうむちゃくちゃです。3月に左遷してくれないかと祈っております。
そんな中、深夜のメールのやりとりは活発に進んでおります(今も、2時近くになっている)。先日は、岐阜物理サークルに宛てたメールが通信に転載されました。そこで、アルケミストのメーリングリストにも少し内容を変えて転載します。
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岐阜物理サークル通信の最後に掲載されていた米沢剛至先生の紫いもパウダーによるホットケーキですが、私も彼からいただいて作りました。特に、G食品のはアルカル性の見事な緑呈色で驚かされます。とてもおもしろいのですが、アルカリ性になったホットケーキは、食品としてお勧めできません。アルカリ性の食品は不味いだけでなく、ビタミンB1の大半が分解するという問題があるのです。つまり、G食品のホットケーキミックスは、立派な説明書きがありますが、食品化学的には問題がある商品なのです。
※G食品の説明書きには膨らし粉として「重曹」と明記してあり、ベーキングパウダーを用いていないようです。
食べてみると、かなり不味いものでした。食品化学専攻の娘は、色を見るなり「不味い!」と判断し、口もつけませんでした。
ベーキングパウダーが重曹と違うところは、重曹の熱分解生成物(炭酸ナトリウム)によってアルカリ性に傾くのを避けるために,酸が添加されていることです。加える酸は,酒石酸,リン酸一カルシウム,リン酸二水素ナトリウム,酒石英,焼きミョウバン,グルコノデルタラクトン,食酢などです。
つまり、G食品のホットケーキの緑呈色は,ベーキングパウダーを用いないことが原因です。これには、それなりの理由(言い分)があるのでしょうが、一般的な商品とはいいがたいのです。もう一ついただいたM製菓のは,ある程度それを克服しているのでおいしいものでした。M製菓のは焼けるに従って赤い斑点が広がり、それが、ベーキングパウダーに添加された酸性成分だと思います。
なお、実際にはアルカリ性の食品も少しあって,代表が「ピータン(中華のアヒルの卵)」だそうです。また、ニワトリの卵の白身もアルカリ性ですから、おもしろい目玉焼きができます。白身に紫いも液かパウダーを混ぜてフライパンに入れ、その真ん中に黄身を落とします。すると、緑の白身に黄色い黄身が乗っかった実に興味深い(異様な)目玉焼きができます。実は、これが、我が家の1年程前からの名物料理です(…と、私が勝手に主張している!)。
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私は、紫いものパウダーや液が好きで、前から時々実験しています。「電気パン」のパン種に添加しての利用ができそうだと気づき、すぐに試しました。電気パンは焦げ付かないので、フライパンやホットプレートで焼くよりもきれいわかりやすくできます。G食品のホットケーキミックスを用いると不気味な青緑色になりますが、M製菓のは、青緑色の中に赤い斑点があって意外ときれいです。いずれにしても全体から色変化が進み、(電気パン焼き器で気になっている)電極板が熱くなって加熱されているのではない…ということがよくわかります。ぜひ、お試しください。
紫いもパウダーですが、入手しやすくなり利用が広がることと思います。しかし、パウダーはデンプンが母体で、ホットケーキミックスに入れるとねばついて混ぜにくくなります。紫いもをすりおろして得た紫いも液のほうが使いやすいようです。詳しくは、以下をご覧ください。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sugicom/kazuo/neta/bake34.html
紫いもは、鹿児島の「さつまいもの館」で通販できます。季節商品ですから、興味のある方は今すぐに申し込みましょう。以下のページ参照。
http://www.synapse.ne.jp/~imo-yakata/
ただ、ホームページの注文欄には紫いもが掲載されていません。電話で「アヤムラサキ(紫いもの品種名)」と指定して注文してください。5kg2000円程度です(送料別)。
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ところで、パソコンで苦労されている方がおられますね。パソコンは大変なシステムの上に成り立っていますから異常があって当たり前と考えれば、違った対応が考えられるように思います。また、気持ちにゆとりも生まれます。我が家の稼動中のパソコンは4台で、そのうち3台がインターネットに接続可能です。といってLANを組む気はありません。それぞれが独立して動くことに価値を見出しております。これ、不安定なパソコンに対する危機管理です。パソコンは、少なくとも2年ごとに買い換えないといけない状況ですが、最新型は画像処理用で、旧型はインターネット用として難なく動きます。1台異常になっても、修理に出すか再インストールか、どちらにしろゆっくり検討できます。今は、パソコンは安い! 困ったときはどんどん買いましょう!? なお、高い機種でも安い機種でも、ほとんどの作業で違いを感じません。
00A−190
差出人:山本 喜一
送信日:01年2月8日
件 名:基礎基本について(4)
こんにちは、山本です。
研究集会の理科分科会で話題に上ったことを、私なりにまとめてみました。この分科会では2,3年前から「ハードパスからソフトパスへ」というキーワードが登場しています。今回、基礎基本は何かという論議が中心だったのですが、この話もその延長線上にあります。つまり、資源・エネルギーを浪費し、環境をこわしながら物質的な豊かさを求める道(ハードパス)はやめて、環境と共生しながらゆっくり生活する道(ソフトパス)への転換が必要であること。そして、そうするための教育(理科教育)の基礎基本は何なのか、という論議が行われたわけです。
まず、子どもたちに豊かな原体験を与えることが必要である、という意見が多くの参加者から出されました。テレビやゲームなどのバーチャルな世界に明け暮れがちな子どもに、実際の動植物や物質などとつきあわせることが重要であるというものです。レポートとしては、近くの川や森に子どもたちを連れていって生き物とふれあわせたもの、教室でアオムシを飼ってそのようすを観察させたもの、いろいろな金属が電気を通すかどうかを試させたものと、いずれも子どもたちが生き生きと活動している実践が報告されました。
次に、一つのことを多方面から見る(考える)ことの重要性が指摘されました。例えば「光」は、電磁波の一員としての光、エネルギーとしての光、(化石燃料や原子力に対して)自然エネルギーとしての光、光合成に必要なものとしての光、われわれがものを見るために必要なものとしての光など、さまざまな側面を持っています。同様に「見える」ということも多面的です。網膜に光が当たるから「見える」わけではなく、その信号を脳が解析しているから「見える」のですが、光がなくても夢は「見え」ますし、盲目の人でも心で「見て」います。また、目に障害がなくても、注意しなければ「見えない」あるいは「見過ごす」ことがあるなど、いろいろな「見え方」があります。
こんなふうに、ものごとはいろいろな側面を持っています。教師はまず、ものごとを多面的にとらえ、そのうち理科として何を子どもたちに教えるべきなのかを検討しなければならないというわけです。ある参加者が「光がなければものは見えない」という授業をしました。子どもたちがいる部屋の光をすべてさえぎって、真っ暗にします。そして、見えるものがあるかどうかを体験させたのです。これは「光がなければものは見えない」という事実を教えている普通の理科の授業のように思えました。しかし、見えるということに関して、上記のように多面的にとらえてみれば、「物理的には」という条件を付けた上で「光がなければものは見えない」と言うべきではないかと指摘されました。
これを聞いて、一つの物事を多面的に見るということは、自然科学という学問の範囲内でいろいろな角度から検討するだけでなく、社会生活を営み、文化や文明を持つ人間総体として、さまざまな角度からものを見ることが大事なのだと感じました。平たくいえば、われわれの生活(暮らし)から物事を見る視点を失ってはいけないということだと思います。そういう視点がないと、例えば電気については電子の流れやオームの法則を分からせることで満足してしまい、われわれの生活にとっての電気、つまり化石燃料や原子力を使って生活している実態を教えることが抜け落ちてしまうでしょう。
また、物事を多面的に見る哲学の話も少し聞くことができました。科学で解明できている世界は限られていて、科学では分からない(分かっていない)世界があることは誰でも認めるところでしょう。林さんも以前、『奪われし未来』に「科学には限界がある」ということが書かれていると言ってました。私もそう思います。科学は、条件が明確で単純な系については、物事の因果関係を詳細に記述することができます。化学でいえば、純物質どうしをある濃度、ある温度、ある圧力・・・で反応させるとどうなるかについては、非常にクリアーに答えることができます。しかし、生態系のように条件が複雑にからまり合っている系では、明確な答は出せません。
また、答えのある問題と答えのない問題があるということもよく聞きます。数学や理科では、はっきり答えが分かっている問題しか授業で取り上げません。しかし、自然界には答えの分からない問題がたくさんあります。まして、われわれの日常生活や実社会で持ち上がってくる問題は、答えのないものの方が多いでしょう。それなのに学校では、どんな問題にも答えがあるかのように教えてしまうわけです。特に理科では、科学というものをどんな問題にも答えられる万能のものであるかのように教えてしまうので、大問題だというのです。原子力の安全性にしても、環境ホルモンの影響でも、温暖化でも、科学ははっきりとした見通しと解決策を用意することはできません。そこは科学を超えた視点から検討しなければならないはずです。しかし授業では、はっきりとした答えが出るものだけを教え続け、結果として科学に全面的な信頼を寄せるような子供を作っているのではないかというのです。
どんな物事でもいろいろなものと関係しあい、からまり合っているはずです。水を沸騰させたときに出てくる泡を考えてみても、日常的には水蒸気以外に空気やカルキ臭、トリハロメタンなどが含まれています。ですから、おいしくてトリハロメタンが少ないお茶を飲むには十分沸騰させる必要があります(もっとも、空気中に出たトリハロメタンが鼻から吸い込まれるのではないかという問題もありますが)。日常生活で水を沸騰させたときには、このような問題が次から次へと出てきて、浄水器をつけようとか、水道水は危ない、というような議論が起こっているわけです。「自然は縫い目のない織物だ」という言葉がありました。これは、こんなふうに物事が連関し合い、切っても切れない関係になっていることを言い表しているものだと思いました。実際はそういう連関があるのに、理科では(科学では)水の物性というところだけを切り出して、「水が沸騰すると水蒸気が出てくる」という明確な答えを出して終わりにしているというわけです。
物事を多面的、多元的に見る目というのは政治的な思想とも関係します。つまり、社会や歴史を科学的に見ることができるかどうか。社会や歴史を科学的に見て得られた答えが、唯一の答えであると言えるかどうか。そういう議論と深くかかわるわけです。ともかく、物事を多面的に見るということは、自然科学の範囲にとどまらず、社会学的にも、歴史学的にも、文学からも・・・、いろいろな角度から見るということで、一番大切な視点は、市民としての立場でそれをどう見るかということだと、まとめられると思います。
野中さんの基礎基本の考えも読ませてもらいました。メールで指名したりして、大変失礼しました。
”「学校という場の中で、何かに自信をもって、その1つの自信から突破口をみ
つけれれば、あとの自分に自信がもてるようになるのではないか」それが、現在
の私の基礎基本です。”
これはまさに、野中さんの教師としての基礎基本ですね。
多くの生徒たちは、学ぶことに意味を見いだせない生活を送っているのだと思います。学ばなくても、たとえ学校を辞めても、生活に困るわけではありませんから。生徒たちに学びたいという意欲の喪失、モチベーションの喪失があると思います。進学校でも、受験に関係ない科目に対して、多くの生徒は学ぶ意味を見いだしていません。いわば、捨てています。そういう現実を前にすると、基礎基本とは何かという論議も足下をすくわれるような思いがします。教師側が教えるべきだと思うことを一所懸命になって探しだしても、当の生徒たちにそれを身につける意欲がないとしたら・・・。でも、市民としてどう生きていくのか、もっとどぎつい言い方をすれば、環境問題や戦争によって命を落とすことのないようにするためにはどうすべきかという基礎基本は、今は学びに意味を見いだせない生徒たちにとっても、やがては学ぶ必要性を感じるものだと思います。
分科会のまとめといいながら、箇条書きのようなものになりました。しかも、おもに共同研究者の発言内容と、それを私がどう受けとめたのかという話になってしまいました。長くなりましたので、この辺でひとまず終わりにします。
では、また。
00A−191
差出人:野中 直彦
送信日:01年2月10日
件 名:アクロバットはいい?
圧縮率といい、綺麗さでPDFはいいと思います。ところで、PDFを読むのは無償でダンロードできますが、書くのは別に専用ソフトがいるんですようね。いくらぐらいでしょうか?
00A−192
差出人:野中 直彦
送信日:01年2月10日
件 名:ハードパス?
ハードパスとかソフトパスと言う言葉がでてきますが、基本的にはどう考えればいいんでしょうか?
00A−193
差出人:野中 直彦
送信日:01年2月10日
件 名:大変だ42
来年度の岐阜県教職員組合の飛騨支部長に立候補しました。「子どもが不自由になり、教師が不自由になっている中で、明るさ、楽しさ、優しさのある学校になればいいなぁと思います。わかりあっていきましょう。」という立候補の言葉でした。
00A−194
差出人:山本 喜一
送信日:01年2月10日
件 名:雪の結晶を作りました
こんにちは、山本です。
野中さん、大決断ですね。是非がんばって下さい。応援しています。私の方は、3月の始めに、大人を対象にドライアイスの実験をすることになりました。雪の結晶でも作ってみたいなと思っていたところ、先日NHKの「日本人の質問」で、作り方をやっていましたね。ちょうどいい機会だと思って、今日、部活で学校へ行ったついでにドライアイスを買って追試してみました。
発泡スチロールの保冷容器の側面に穴をあけて、500mlのペットボトルの上部4分の1ほどが出るようにしました。ペットボトルに水を入れてシャカシャカ振って、ボトル内の空気に湿り気を持たせます。さらに、ボトルの口から息を6,7回吹き込んで、水蒸気を増やします。この中に、おもりをつけた釣り糸を1本下げ、ゴム栓で密閉します。こうして準備したペットボトルを、穴あき保冷容器に入れ、ボトルのまわりにドライアイスをつめて放置しました。20分くらいすると、釣り糸に霜がたくさんついて、そのうちの一部が成長し始めました。そして、1時間半くらい後、雪の結晶らしくなってきました。これをデジカメにおさめました。うれしくなってきて、3時間以上放置し、時々ようすを見ていると、結晶が複数できてきて、ひとつひとつが違う形に成長してきました。ちょうどいい形になったところで、またデジカメで取ろうとしてボトルを揺らしたら・・・。結晶が、全部釣り糸から落ちてしまいました。残念。
雪の結晶は、ボトルの上の方に集中してできます。ちょうど、保冷容器に穴をあけた位置、つまりボトルの上から4分の1ほどの高さです。これは何か理由がありそうですね。どなたかご存じでしょうか。
それから、ポリ袋の中にドライアイスと電極をつけたシャープペンのシンを入れて口をしばり、電球ができるかどうか試しました。ドライアイスでポリ袋が膨らんだころを見計らって、シンに電流を流し、赤熱させて電球を作ろうと思ったのです。でも、シンは赤熱したかと思うと、だんだん強い光を出してきて、まもなく切れてしまいました。酸素がないのに、シンが燃えるなんておかしいなと思ったのですが、CO2とCでCOができる反応が起こったのかも知れないと考えました。赤熱して折れたシンは、先が細くなっていましたから、物理的に折れたのではないと思います。
では、また。
00A−195
差出人:杉山 剛英
送信日:01年2月10日
件 名:雪の結晶
これは平松式ペットボトル人工雪発生装置というものです。平成9年度東レ理科教育賞受賞作品集にのっています。
雪の結晶は北大の中谷宇吉郎博士の研究から−15℃で空気中の水蒸気が樹状結晶することがわかっています。本装置はボトル底部をドライアイスで強冷し、ボトル上部を露出させることで+7℃→−75℃程度の温度勾配を発生させています。つまりどっぷりドライアイスにつけると全体が−75度になってしまい樹状結晶にならないのです。この方法だと丁度、ペットボトルの上から1/4あたりの見やすいところが−15度となり、樹状結晶が成長していきます。結晶核はつり糸そのものです。
発泡スチロールの容器は、市販の最小のものでも大きすぎて不経済(ドライアイスがたくさんいる)なので特注の小さいやつを手に入れるかか、中に発泡スチロール板をつめる等の工夫が必要です。
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